床下エアコン体感絵レポート@横浜市鶴見区
2023年12月02日 06:29 Category : ニュース
今年一番の寒さとなった、2023年11月26日。
お引渡し前、完成間近の現地に、床下エアコンの効果を体感しに行ってまいりました。

11/26の天気
ウエザーニュースによると、当日の横浜市鶴見区、最低気温は6℃、現地には9時前に到着しました。

現地
玄関に至る階段中央は、自転車等を上げやすいようにスロープにしています。
その上、階段から始まるアプローチの半分は長めの庇で覆いました。
階段を上り下りする際、手が塞がって傘を差せないケースがあるので、役に立つと思います。
さて、玄関前の外気温は、

玄関前
9時45分時点で、8.1℃。
小雨降る中、それまでの陽気で寒さに慣れていないこともあり、かなり寒く感じました。
この日はなかなか気温が上がらず、温度計を置いてからもしばらく気温が下がり続けたため、ひととおり撮影を終えた時刻の気温です。
いよいよ玄関の扉を開けると、

玄関 下駄箱上
21.1℃。
「うー、暖かい、うれしい。」
思わず、こぼれるつぶやき。
風を感じることなく、建物の内部全体が暖まっている空間に足を踏み入れた感じです。
そのままホールを抜けてリビングへ。

リビング
ドドーンと吹き抜けのあるリビングは、引き戸で仕切れる洋室部分を含めると、27帖の広さがあります。

キッチン方向
反対側から見るとこんな感じ。
2階は吹き抜けのまわりをグルリと廊下で囲み、1,2階双方からご家族の様子を窺い知ることができます。

キッチン
リビングを一望できるキッチン、左端に床下エアコンの暖気を導くガラリが見えます。
キッチンに立つ奥様の手元は、

シンク横
21.6℃。
ほぼ玄関と一緒です。
冬場、毎日の炊事で多くの奥様を苦しめるのは、足元が寒いこと。
床下エアコンの場合は、足の下を暖気が通って、先ほどのガラリから室内に送られるため、足元の床が冷たいということはあり得ないんです。
床自体が暖まっているので、裸足でもじんわりとぬくもりを感じます。
さて、その暖気を発する床下エアコンはどこにあるかというと、

床下エアコン
リビングの一角にある、引き戸で仕切られた洋室に設置しました。
この空間を含めて、27帖超ありますから、かなり距離がある。
でも大丈夫、しっかり温めてくれていました。

洗面脱衣室兼ランドリールーム
こちらのサニタリースペースにもガラリがあります。
脱衣室はヒートショックの危険が最も大きい場所のひとつで、昔の家の寒さの象徴でした。

洗面化粧台前
こちらも21.6℃。
全く寒さを感じませんでした。

トイレ
1階のトイレは建物中央に近いため、床下の暖気が十分に通ると判断し、ガラリを設置していません。

便器横
それでも20.9℃。
安心の暖かさです。
床下エアコンなんだから、1階が暖かいのは当たり前、という声が聞こえてきそうです。
ということで2階に上がってみましょう。

階段の途中から
1階から2階へ上がる階段を7段くらい上がったところから撮影したところ。
キッチンと2階ホールを見渡せる大空間です。
生活が始まると、1階でママがお料理をつくり、2階ホールでお兄ちゃんが遊んでいる、そんな風景を同時に見られる楽しいポジションです。

階段の上から
2階に到着。
階段と廊下、ホールでグルリと吹き抜けを囲み、ひとつの大きな空間であることを実感できますね。
しかし、大きな空間ほど暖気を行き渡すのは難しい。
1階に設置した床下エアコンで、2階を暖めることが果たしてできるのか?

腰壁上
心配ご無用、2階に置いた温度計、20.5℃。
ほとんど1階と変わりません。
サーモカメラで確認するとこんな感じ。

サーモカメラの画像
吹き抜け全体に暖気が行き渡っているのがお分かりいただけると思います。

小屋裏
こちらはその上の小屋裏収納。
夏に活躍する小屋裏エアコン冷房が格納されています。
この空間は、

小屋裏の温度
19.4℃
ちょっと驚きましたが、小屋裏まで全く寒くありませんでした。
さて、この写真、温度計の背後にある網目のモノ、気になりますよね?
グレーチングと呼ばれる、道路の側溝や排水口のフタなどに用いられる建築資材です。
なぜ小屋裏にこんなものを使っているかというと、

主寝室
もう、お解りですね、夏場、エアコンからの涼風を床下に届けるためです。
先に紹介した小屋裏エアコンの写真に写っていた2つのグレーチングは主寝室と、吹き抜けを通じて1階リビングに届けるもの。

リビング
右上から冷気を採りこみ、必要に応じてシーリングファンで攪拌します。

反対側から
小屋裏の反対側には、右に2つ、左のコーナーにもひとつあり、計3つ用意しています。
左のお部屋は、

子供部屋1
このように、建具の上に取り込み口を設けています。
下から覗くとこんな感じ。

通気口
2つ並んでいた右側は、

子供部屋2
将来2つに分けられるタイプの子供部屋、下から覗くとこんな感じです。

通気口
小屋裏エアコンの冷気を各部屋に届けるのはなかなか難しい問題です。
一般的な全館空調は、家全体にダクトを張り巡らせ、各部屋に届けるのですが、それだと初期費用もかかるし、メンテナンスも大変です。
今回は当社の設計担当が「何とかダクトを設けずに各部屋に冷気を届けられないか?」と考えた末、この方法を編み出しました。
この方法だと、小屋裏収納の床下範囲に、吹き抜けのLDKと主寝室、3つの子供部屋の天井を含める必要があります。
本来、「下の階の壁の直上に上の階の壁を設ける」というのが地震に強い家のセオリーですが、このやり方だと壁の位置をずらす必要があります。
今回は壁の位置をずらしつつも耐震等級3を取得して、ダクトを使わない小屋裏エアコン冷房を実現することができました。
細かいお話しですが、注文住宅は1つ1つ、ご要望や条件が異なるので、前例を踏襲するだけではダメなのです。
初心を忘れず、今日もまた、はじめてお伺いするご要望に対し、最高のご提案ができるように努めた参りたいと思います。
長細い土地に建てた二世帯住宅
2023年11月21日 06:23 Category : ニュース
長細い土地、
数字で示すと、間口5.4m、奥行き18m。
そういわれても、ピンとこないですよね。
図にすると、
その長さを感じていただけると思います。
5.4mというと、畳1帖の長辺を1.8mとすると、ちょうど3帖分。
どれくらいの大きさの建物が建つかというと、
こちらです。
場所は23区、人気の城南エリアの一戸建てですので、これくらいの間口の建物が珍しいわけではありません。
なので、奥行き18mという長さに特徴のある家づくりです。
その長さ=広さを活かして、3階建ての2世帯住宅を計画いたしました。
まずはアプローチから。
ビルトインガレージの幅を確保するために、玄関ポーチは大人がぎりぎり通れるサイズまで圧縮しました。
当然ながら、玄関ドアは、正面に立って、右にスライドすればサッと開く、引き戸にしています。
ビルトインガレージと、ポーチの幅を節約したおかげで、
二世帯分のご家族の溢れる靴やアウターをたっぷり仕舞える土間収納を確保できました。
左下に見えているのは、光を採りこむ地窓。
長い建物は、中央部分に光が入りにくいもの。
だからといって、安易に窓を設けると、お隣様の視線などが気になったりしますので、このような地窓が有効です。
その上の壁面、左官で仕上げたコテの跡が見えます。
ショールームでご覧いただいた、漆喰=エスタコウォールを気に入っていただき、採用していただきました。
今回の建物は延床50坪を超える二世帯住宅ですので、全面に塗り壁を採用するのはちょっと・・・
ということで、特に見栄えのする壁をピックアップし、間接照明なども取り入れながら、メリハリをつけています。
さて、こちらは洗面脱衣洗濯室と浴室です。
一般的なマンションの中住戸のプランと同じように、使用する時間が限定的な水回り設備は、光を採りこむのが難しい建物中央部分に集中させています。
階段下を利用したトイレもその一つです。
こちらが、1階ご両親様の暮らすリビングです。
ルーバーで囲われた一室は仏間となります。
光を採りこみつつ緩やかに仕切れます。
開放すればリビングの一部として広く使えます。
キッチン側はまだ工事をしていますが、中に入ると、想像以上にリビングの気配を感じず、集中することができます。
この仕切りは、木目のルーバーとともに、アクリル板のような透明の板でも仕切ってあるので、音もある程度遮断されます。
キッチンの奥にはご両親の寝室を設けました。
トップライトでしっかりと、光を採りこみます。
さて、今回の二世帯住宅、親御様世帯のお子様=子世帯のご兄弟様も一緒にお住まいになります。
可能であれば、1階にお部屋を確保できればよかったのですが、それは現実的に難しい。
そこでこうしました。
こちらは2階に上がる階段室の数段下から撮った写真です。
右手が子世帯様が暮らすお部屋で、左手が親世帯のもう一人のお子様のお部屋です。
玄関ホールを挟んで正面に扉を設置し、無駄なスペースを削除しています。
いくらご親族とはいえ施錠できる方がお互いに安心できる、ということで、それぞれの扉にカギを設けました。
こちらがご兄弟様の個室。
3か所の収納スペースや棚を造作して、機能的にお使いいただけると思います。
さて、ここからが子世帯が生活されるゾーンです。
突き当りが洗濯機置場で、この縦長の廊下に見えるスペースは、脱衣室を兼ねたランドリースペース。
奥の洗濯機置場から見るとこの通り。
右手突き当りの浴室前で脱いだものを、撮影位置にある洗濯機置場で洗って、浴室乾燥機で乾かし、左手のウォークインクローゼットに仕舞います。
天井の黒いアイアンバーは、一時的にハンガーを掛けたり、クローゼット代わりに使ったりと、ユーティリティースペースとして活用できます。
先にご紹介した脱衣室兼ランドリールームへの入り口は、この写真の左手。
洗面化粧台は脱衣室から切り離し、それぞれが気兼ねなく使えるようにしました。
この撮影位置の背後、
このトイレも、光を採りこめない建物中央部分に設けています。
そして、子世帯のLDKへ。
写真には写っていませんが、キッチンの右手が、先にご紹介した浴室とキッチンを仕切る壁で、今回の長い建物のちょうど中間位の場所にあたります。
その割にカウンター越しから光がしっかり入っているのがお分かりいただけると思います。
こちらがLDです。
リビングとダイニングは、用途によって仕切っても使えるようにしました。
お客様がお見えになるようなときは、
このように、3枚の引き戸で仕切って使います。
子世帯の個室は3階に設けました。
約10帖あるこちらのお部屋は将来2つに分けて使えるように、備えています。
南側に向いた日当たりの良いバルコニーは7帖弱の広さがあります。
大きなものを干したり、夏はプールで遊んだり、多目的にお使いいただけると思います。
3階にも洗面台とトイレを設けました。
今回の家づくりは、縦長の敷地をいかに二世帯住宅の暮らしやすさにつなげるか?というのがポイントでした。
例えば、建物の長辺に沿って、シューズインクロークや脱衣室を兼ねたランドリールームを設けたり、地窓や天窓など周囲の視線を気にせず、光を採りこむ工夫だったり、光が届かない中央部分に何を配置するか?など、ご要望をお聞きしながら設計しています。
また、縦長の敷地に階段室を設置する際は、長辺に沿って設ける場合が多いのですが、今回は建物中央に短辺と平行に折り返し階段を設けました。
この階段室を建物中央に配置することで、中央部の光があたらない部分の面積を埋めつつ、1階はガレージと親世帯、2階は子世帯のフロアと親世帯の個室を、3階は子世帯の主寝室と子供部屋を距離を取って仕切っています。
注文住宅の間取りは、いかようにもプランニングできますが、よくよく考えて練らないと、後悔してしまうことが少なくありません。
多くの方にとって、家づくりは一生に一度の大イベントです。
「あー、失敗した!」ということにならないように、ご意見をお聞きしながら最適なプランをご提案できるように心がけております。
子育て世代のご夫婦が土地探しから始めて建てた家
2023年11月08日 18:07 Category : ニュース
先月まで、地元、横浜市神奈川区で工事を行っていた、子育て世代のご夫婦が建てた家をご紹介させていただきます。
間口6m弱、奥行き14m、敷地面積82㎡、やや長方形の整形地。
この敷地形状ですと、三角屋根の切妻か、片流れか、フラットな陸屋根(ろくやねと読みます)に近い形状を選択するケースが多いのですが、スタイリッシュな都市型住宅テイストに仕上がる陸屋根に近い屋根形状を選択されました。
『ビルトインガレージは耐震性に不安がある』
といった記事を見ることもあるかと思いますが、当社は全棟構造計算を行って、耐震等級3を取得していますのでご心配には及びません。
こちらは工事中の玄関内部。
1.5帖ほどの土間収納を設けました。
ご家族4人分の靴は、通常の玄関収納だけでは収まりません。お客様がいらしたときにはアウターを掛けるハンガーも欲しい。
また、ネット通販全盛の今、段ボールなども溜まります。
段ボールの収集は週1回で、その日に出せないとなると持ち越さなければなりません。
そんなときにも土間収納はとっても便利です。
こちらは土間収納の裏手にご用意した収納スペース。
今現在利用されているラックをそのまま使われる予定なので、サイズをあわせてご用意いたしました。手前には掃除機なども置けるので、便利にお使いいただけると思います。
左手に見えるのは洗面化粧台。
建材メーカー、アイカのスマートサニタリー。
最近は、個別に建材を選んで、造作する化粧台が人気ですが、壁から浮き出て見える三面鏡や、木目調の面材など、デザインと使いやすさのバランスが良くとれていると思います。
この写真ではちょっとわかりにくいのですが、
三面鏡とカウンターの間の壁には、保護フィルムの施された化粧板=アイカのセラールを施工しています。
このパネルは、
2階トイレ手前の手洗いにも、色違いのパネルを施工しました。
水撥ねなどの汚れをサッとひと拭きで落としやすく、何よりも控えめな美しさに品の良さを感じます。
洗面化粧台とは引き戸で仕切ったところに脱衣洗濯室を設けました。
干したものをたたむカウンターを用意し、広さも3畳半あります。
脱いだものを洗濯機で洗い、TOTOの浴室換気暖房乾燥機『三冠王』の乾燥機能を使って干します。
でも、4人家族ですと、浴室だけでは収まりません。
そこで、洗濯バーを設置して、浴室と洗濯室を合わせた4畳半ほどのスペースを使って干します。
浴室の扉を開けて、三冠王だけのパワーでお試しいただき、ちょっと足らないかな?と思ったら除湿器をご用意いただくようにご提案しました。
最近の除湿器はとても優秀で、しっかり乾かしてくれますが、場所をとるし、吸い取った水を捨てる手間は発生してしまいます。
除湿器なしでいけるなら、それに越したことはありませんので。
さて、この脱衣室兼洗濯室は、主寝室に直結しています。
写真右手の壁、奥に薄く見える開口部が脱衣室への入り口です。
要は、洗濯物を洗い、その場で干し、造作したカウンターで取り込みつつ畳んだら、その場で主寝室へ移動し、正面のウォークインクローゼットに仕舞う動線です。
主寝室と洗濯室をダイレクトに行き来できると、夜遅かろうが、朝早かろうが、気兼ねなく洗濯作業を行えるのでとても便利だと思います。
室内干しなので、天気にも左右されません。
ウォークインクローゼットは3帖の広さを確保しました。
建物の一番端にあたるこの場所に床下エアコンを設置しているので、床下全体に暖気が行き渡ると思います。
既に申し上げた通り、土地面積は82㎡、ガレージを除いた床面積は98㎡ほどと、限られています。
圧迫感のある階段下ですが、アクセントクロスと屈折、反射する光が美しい照明を据え、素敵なトイレに仕上げました。
さて、こちらは2階のリビングです。
ソファが置かれる予定のコーナーからの視線です。
ハイサイドサッシの下にAVボードが置かれ、ご家族の視線が集まるこの壁の上部に間接照明を設置しています。
その右手に収納スペースのような凹がありますが、ここにはピアノが置かれる予定です。
奏者は奥様。
ご自宅に居ながら、ピアノの生演奏が聴けるなんて。
うらやましい限りです。
こちらは、AVボードが置かれる予定の位置から撮影した写真。
中央やや右にあるカウンターは、幅2m超のスタディーカウンター。
大きくなっても、二人並んで机に向かえるワイドなカウンターです。
作業スペースを確保するために、冊子やノートパソコンなどを仕舞える収納スペースもテーブルの下に確保しています。
ここで勉強していれば、
キッチンに立つママの目が届きます。
自室で勉強をするよりも、リビングなど、家族の目が届く範囲で勉強するほうがはかどる、という子供の方が多いようです。
この盛りだくさんなLDKは、約19帖の広さを確保しました。
とはいえ、室内全体の広さは100㎡足らず。
全てのスペースを広々とるわけにはいかず、メリハリをつけています。
こちらは4帖の子供部屋。
右手にクローゼット、奥にベッド、左手にデスクを置いてほぼ完結するスペースです。
着替えて、寝て、あとは一人時間を過ごすためだけのスペースですから、それほどの広さはいりませんよね。
この機能的なお部屋を、
左右対称に2部屋設けました。
収納の位置や広さ、間接照明の配置、細かな装飾の数々にもこだわっていただき、素敵なお家が完成いたしました。
ご家族の皆様が、末永く健康で幸せにお過ごしいただけますように。
B様、ありがとうございました。
社内研修に伴う臨時休業のお知らせ
2023年10月22日 09:50 Category : イベント,ニュース
誠に勝手ながら10月31日(火)・11/1(水)の二日間
社内研修のため終日臨時休業とさせていただきます。
休業期間にいただきましたお問い合わせにつきましては11/2(木)
より順次対応させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが何卒よろしくお願い申し上げます。
小高い丘に建てた注文住宅
2023年10月18日 06:33 Category : ニュース
暑かったこの夏に完成、お引渡しをした「小高い丘に建てた注文住宅」のご紹介をさせていただきます。
完成間際だった当時の様子がこちら。

現地
小高い丘、ということですからご想像がつくかと思いますが、工事中の現場はこちらです。

寄り
道路から14mほどの高さ。
わかりやすく言うと、マンションの5階部分に相当する高さです。
約60段程度の階段を上がると、ようやく現地に到着します。

現地
完成間近の現地に到着しました。
高い立地の家は、眺望が良く、夜景がきれいで、陽当たりが良いケースが多く、人気があります。

眺望
今回の現地からはベイブリッジがはっきり見えました。
一方で、問題もあります。
今回の工事で大きな問題になったのは、動線の確保です。

階段上から
工事中、人の往来はガッツで頑張れたとしても、構造材や足場など、大きな資材をこの現場に搬入するのはさすがに難しい。
ましてや、地盤改良をしなければならないとなれば、重機を搬入する必要がありますが、それは現実的に無理。
では、どうするか?
まずは資材の搬入ですが、こちらは現地の裏手。

現地裏側
アパートが建っています。
よく見ると、フェンスの一部が取り外されています。
たいへんありがたいことに、アパートのオーナー様にご協力をいただき、裏側の道路から現地までの敷地を通っても良い、とご承諾をいただけることになりました。

動線確保
車は通れませんが、これだけの動線を確保できれば資材を搬入することは可能。
一つ目の問題はお隣様のご協力をいただけたことで、解決することができました。
とはいえ、当然重機は通れません。
今回の敷地は傾斜部分を入れると、約80坪あります。
その気になれば、もっと広い家を建てることも可能でした。
しかし、建築面積を広くとればとるほど、軟弱地盤など問題のある部分に建物が載る可能性が高くなります。
そのため、必要最低限の建築面積を確保し、できるだけコンパクトに設計することで、地盤補強が必要ない範囲で工事を進められるようにして、この問題をクリアいたしました。
結果、建築面積39㎡、延床面積75㎡と、一般的な3LDKのマンションと同じくらいの広さですが、夏も冬も快適に暮らせる使い勝手の良いお家が出来上がりました。

玄関
手洗い器の左手にはトイレがあり、帰宅後も、トイレを使った後も手を洗えるようにレイアウトしました。
限られた面積で使い勝手を良くするには、”兼ねる”という発想が欠かせません。

リビング
こちらは14帖のLDK。
中央のカウンター下に見えるのが床下エアコンです。
南面のど真ん中に設置していますので、ムラなく家中を暖めることができます。

キッチン
キッチンの面材は、リビング全体のトーンに合わせて、清潔感溢れるホワイト系で統一。
全体を白で仕上げると、家具や植栽、オブジェ、絵画などが引き立ちます。
奥に見えるスリット窓のあるスペースは1帖大のパントリー。
コンパクトながら、どうしても必要な収納スペースはしっかり確保しています。

吹き抜け
カウンターキッチンの正面にダイニングテーブルをレイアウトする計画です。
左手、床下エアコンのあるカウンターの上には吹き抜けを設けました。
想像してください。
一家だんらんの場、ふと見上げると2階の天井まで5mも抜けています。
14帖のリビングとなると広いとは言えませんが、吹き抜けをつくることで、開放感が得られます。
さらに、床下エアコンの暖気も、この吹き抜けと階段室を通って2階まで暖めてくれます。
この吹き抜けにはもう一つ狙いがあって、

冷房用エアコン
夏場の冷房用エアコンを2階ホールに設置し、

シーリングファン
シーリングファンで1階全体に涼風を送る計画です。
2階ホールの腰壁の上から撮影した写真ですが、生活が始まるとカウンター正面にダイニングテーブルが来ます。
フロアを隔てて会話を楽しめるのも吹き抜けのメリットです。

2階洋室
2階の洋室7.5帖は、将来2つに分けて使えるようにしています。
2つに分けると4帖を割ってしまうため、屋根の形状までの高さを確保する勾配天井にしています。
高さを出すことで、圧迫感を抑える作戦です。

洗面脱衣洗濯室
こちらは1階のサニタリールーム。
2畳のスペースに収納を確保し、天井吊り下げ物干しも設置しました。

バスルーム
システムバスは、余裕の一坪サイズ。
ゆったり入れ、物干しを2本掛けられるので、梅雨時の乾燥室としても便利に機能します。

トイレ
1階玄関脇のトイレは階段下スペースを利用しました。
床下エアコンのガラリが見えますが、このほかにもリビング、キッチン、脱衣室と、全体に行き渡るように設けているので、家中を暖めてくれます。

完成間近の現地 正面から
当初から、搬入ルートの確保や地盤補強の問題など、ハードルの高い計画でしたが、とても住みやすいお家が完成したと思います。
広い家はもちろん良い面もたくさんありますが、マンションほどのコンパクトなお家もメリットがいっぱい。
広くない分、どこに行くにもアクセスしやすいし、掃除も楽だし、光熱費も抑えられます。
但し、コンパクトな家を住みやすくできるか否かは設計の工夫がとても重要です。
鬼塚工務店は、狭小地や変形地、高低差のある土地などの実績が豊富で、ひとつひとつ丁寧にしっかり考えてご提案しています。
建築予定地に難のある場合も、ぜひお声がけください。
25坪の敷地に建てる三世代で暮らす家。
2023年10月05日 07:33 Category : ニュース
先月末まで工事を行っていた、「25坪の敷地に建てる三世代で暮らす家」のご紹介をさせていただきます。
奥様のご実家を建て替えての二世帯住宅です。
2階建てだったご実家。
駐車場を確保しつつ、道路斜線や北側斜線を避けながら、110㎡の床面積を確保しました。
まず最初にご紹介したいのは、こちら。
1枚前のビフォーアフターのアフターと同じアングルの写真ですが、外壁材のラインがはっきり見えるようにコントラストを強調しています。
この外壁材、一般的なサイディングとちょっと異なるのですが、お解りになりますでしょうか?
この写真で分かったら、かなりすごいと思います。
何が違うかというと、一般的なサイディングのつなぎ目にあるシーリングがない(実際には少しだけあるのですが)シーリングレスサイディングを採用しています。
ニチハのCOOLという商品で、意匠を大切にする住宅はもちろん、レクサスやボルボといったカーディーラーや、プレミアムアウトレットなどの集客を目的とした商業施設にも採用されている外壁材です。
メーカのサイトによると、シーリング仕様だと、外壁材のデザインにおかまいなしで、シーリングの太い目地が写真左のように目立ってしまうのですが、シーリングレスタイプですと、四方合いじゃくり工法により、板の継ぎ目が目立ちにくいのです。
四方合いじゃくり工法とは、
このように、4枚の板で互い違いに組み合わせるため、つなぎ目が目立たない施工が可能になるのです。
「外壁サイディングのシーリングがどうにも気になる!」という声は以前よりあり、その不満を解決した商品です。
さて、玄関を入ると左手にはシューズクロークを兼ねた土間収納スペースを設けています。
ご家族はこのシューズクロークスペースから家の中に入り、メインの玄関はお客様専用にお使いいただくことにすれば、いつもメインの玄関はスッキリをキープできます。
家族用玄関とメインの玄関の仕切りは、建具で仕切るよりも、後付けで暖簾やロールスクリーンをかけてもよし、それほど気にならなければなくてもいいかもしれません。
家族用玄関から見ると、奥にはハンガーパイプも設置して、アウターを掛けることもできるようにしています。
玄関も、キッチンも、浴室も、ランドリールームも、すべて共用する二世帯住宅ですが、洗面化粧台とトイレは1階と2階に設置。
とはいえ、厳密に使い分けるわけではないので、1階の洗面化粧台は玄関の脇に設置しています。
脱衣室を兼ねるランドリールームには乾太くんをメインに、天井吊り下げ物干しも用意しています。
浴室も乾燥室として使えるので、梅雨時に悩まされる、洗濯物対策への備えも十分です。
こちらが親世帯のお部屋。
おやすみになるときにはベッドを活用することになると思いますが、部屋にいる時は畳がいい。
座卓でも、ちょっとゴロリと横になったりすることも可能です。
2階のリビングで過ごすのも良いですが、身支度が面倒な時などはご自分たちのお部屋でゆっくりするのがいいですよね。
歳を重ねて階段がしんどくなっても、1階だけで生活が完結できるように10帖大の広さを確保しました。
今回の床下エアコン暖房は、階段下収納スペースを活用しました。
多くの場合、リビングや居室のカウンター下などに設置居することが多いのですが、それはそれなりに場所をとります。
コンパクトに納めるなら、階段下収納は最適な場所といえると思います。
さて、階段を上がってリビングへ。
ドドーンと吹き抜けがあり、2階フロアのホールまで、開放的な空間が広がります。
2階には子世帯ご夫婦の居室も確保する必要があるため、LDKとして確保できる面積は17畳ほど。
吹き抜けを設ける理由の一つは圧迫感を感じないようにすることが挙げられますが、もう一つあります。
正面の2つの窓、下の窓にはお隣様の建物の影が見えます。
上部の窓にはみえません。
この窓は南側にあるのですが、特に陽の低い冬、2階の窓からの採光はお隣様の建物に遮られがちですが、吹き抜け上部=3階部分の窓は遮るものがないので、部屋の奥まで光が届きます。
カウンターキッチンから見ると、リビングの奥まで光が届いているのがお分かりいただけると思います。
今回の床材は、オークの突板を使っていますが、通常より幅が広いタイプです。
幅が広いフローリングは空間をゆったりと広く見せる効果があります。
システムキッチンは全体を白いトーンでまとめました。
最近のキッチンは、ブラック系のシックなタイプが多く見られますが、ホワイトは明るく清潔感があります。
リビング側からの見た目も、白い壁、白い面材のシステムキッチンだと、より無垢のオーク材の表情が際立ち、シンプルナチュラルな明るいトーンに仕上がっていると思います。
リビングの一角にはバルコニーも設けました。
それほど広くはありませんが、リビングに外に出られる空間があると何かと便利です。
2階、リビングに設けた洗面室とトイレ。
特に朝の洗面化粧台は占有する時間が長くなりがちなので、1,2階それぞれにあると便利です。
さて、こちらは3階ホール。
正面に見えるのが室内に設けた夏用のエアコン冷房です。
夏は扉を開放して冷気を送り、吹き抜けを通してリビング全体を冷やします。
このエアコンがあるお部屋は、
4帖大のファミリークローゼット。
基本的には開放していますが、来客時など見せたくない時には引き戸を閉めれば大丈夫。
3階ホールの手すりは、冷気が落ちやすいように腰壁タイプではなく、シャープなアイアン風の手すりを採用しています。
この左手に子供部屋があるのですが、このホールも3帖弱の広さがあります。
突き当りの壁にはコンセントなどの配線も準備し、デスクを置けば開放的な書斎スペースになります。
正面右上の小窓から光が差し、右下にはリビングを見渡せ、ちょっと宙を浮いている感じ。
2階リビングと3階ホールの書斎、別々のフロアに居ながら、同じ空間に居るような、ちょうどいい距離感で過ごすことができそうです。
十分な広さを確保できる条件で家を建てるのはもちろん良いのですが、今回のように広さや高さに制限がある中で、様々な工夫を凝らして、やりたいことを実現していくと、結果的に相乗効果が生まれてよりよくなる、というケースも珍しくありません。
そのあたりも注文住宅の醍醐味だと思います。
ご要望されるプランの実現は、当社の設計士とコーディネーターがお手伝いさせていただきます。
人工地盤で駐車場を確保した、陽当たり大逆転の家。
2023年09月15日 21:13 Category : ニュース
先日お引渡しをした、横浜市のS様邸の完成間近の模様をご紹介させていただきます。

完成間近の現地
閑静な住宅街、北西道路に面するお住まいです。
お建て替え前のお写真はこちら。

建て替え前(解体中)
グーグルストリートビューで確認すると、ちょうど解体中の様子が撮影されていました。
道路に面してブロックが積まれており、従前はカースペースがありませんでした。
というのも、今回の敷地を図解するとこんな感じです。

断面図
建築地が前面道路より2mほど下にあります。
そこで、2階に玄関を設け、

鉄骨組み
このように敷地から道路面までを鉄骨を組み上げ、デッキプレートで駐車スペースを設けました。

人工地盤の駐車場
駐車スペースが敷地内にあるかどうかは、これから始まる新しい住まいでの生活の質に大きく影響します。
コストもそれなりにかかりますが、やるならこのお建て替えのタイミングしかありませんよね。
さて、駐車スペースの確保は人工地盤で解決できましたが、もうひとつ問題があります。

地下の位置に1階が・・・
先に申し上げた通り、道路面より2mほど建築地が下がっているので、1階部分はこのアングルから見ると、道路の下にあります。
当然ながら、道路側はほとんど光が入りません。
両隣のお住まいもそれなりの高さがある上、

奥にも隣家の2階が・・・
裏側のお隣様も、もう一段下がってはいますが、1階部分の天井よりも高い位置にあります。
ということで、今回の二世帯住宅の親世帯が住まわれる1階は、四方が囲まれている状態なのです。
そんな立地のお建て替えですので、お施主さまのご要望は、
「光のはいる、明るい家にしてほしい!」
というものでした。
ではどうするか?

1階親世帯リビング
こちらが陽当たり大逆転の、1階親世帯リビングです。
左手、奥側のお隣様の窓と壁が見えますね。
でもそれほど暗くありません。
どうしたかというと、こうしました。

天窓
北東の壁の一部を、2階から一部内側にずらし、その天井にトップライトを設けました。
トップライトからの光は、壁の窓の3倍の光を採りこむことができるといわれています。
一方で、南に設けてしまうと、直射日光が当たるため、それはそれで問題があります。
撮影したのは、陽の高い夏の午前中。
これから午後に向けて、直射日光は遮られ、間接照明的なやさしい光が降り注ぎます。

キッチン側から
キッチンに立った時、天窓がないとリビング全体が薄暗く見えてしまいますが、このトップライトがあれば、日差しの低い冬でもリビングにスポットライトを当てたように、光を届けてくれます。
写真左下部分に床下エアコンが見えています。
冬はこの北側の位置から、南側に向けて、1階の床下全体を暖めます。

サニタリー
今回の二世帯住宅は、玄関のみ共用し、それ以外は洗面化粧台も、洗濯脱衣室も、トイレもすべて別々にご用意いたしました。

シャワールーム
ですが、1階の浴室はシステムバスではなく、シャワールームを設置しています。
最近のシステムバスは、断熱性が高く、快適な設備が整っていますが、そうはいっても水を使う場所ですので、お掃除は欠かせません。
浴槽に浸かる必要があまりなければ、シャワールームの方が便利です。
入った後に、洗い流せばきれいになるので、お掃除が楽だし、当然コストも抑えられます。
子育てを終えられたシニア世代の皆さまは、ご自宅のお風呂よりも、スポーツクラブやスパなどの大浴場で毎日の入浴を済ませる方が増えていて、ご自宅のお風呂はシャワーだけ、という選択をされる方が増えているようです。
さて、2階もご紹介しておきましょう。

子世帯リビング
2階もそのまま建ててしまうと、午後のリビングは日差しが入りにくい立地です。
そこで、リビングの一部に吹き抜けを設け、高い位置からお部屋の奥まで日差しを採りこむプランにしています。
写真のシーリングファンの右に室内窓が見えますが、このお部屋は

2階納戸
書斎にも使えそうな納戸です。
この室内窓がないことを想像してみてください。
全く窓がなく、真っ暗なお部屋になってしまいます。
この窓1つあることで、まったく違う空間に生まれ変わります。

子世帯サニタリー
子世帯の洗面化粧台はトイレと洗濯脱衣室の間に設置して、どちらからも使える上、脱衣室とは引き戸で仕切るので、家族のどなたかが入浴中でも、気兼ねなく歯磨きしたり、身支度を整えたりすることができます。

洗濯・脱衣室
脱衣室には常設の物干しバーを設けています。
邪魔にならないように格納するタイプの天井吊り下げ物干しもありますが、出し入れするのがやや面倒ですよね。
頻繁に出す必要があるなら、見た目にもカッコいいアイアンの物干しバーを選んで、常設しておいた方がメリットが大きいと思います。

バスルーム
2階子世帯のシステムバスは1616サイズのちょうど良いタイプをお選びいただきました。
こちらにも物干しバーを2本設置できるので、雨の日の洗濯物対策もバッチリかと思います。
今回は、敷地が道路より2m下がっているお住まいのお建て替えをご紹介させていただきました。
駐車場の確保や、陽当たりが良くないという問題を上手に解決できたと思います。
横浜市は、傾斜地や高低差のある土地が多く、建築予定地が道路より高いところにあったり、低いところにあったりするケースがとても多くあります。
当社には、そのような建築の実績が豊富にありますので、問題があっても大抵のことは経験してきましたし、経験がなくても解決できるように最大限の努力をさせていただきます。
ちょっと難しい土地のお建て替えや、家づくりにお悩みでしたら、ぜひお声がけくださいませ。
変形地だから実現できた、3SLDK+2LDKの 大型二世帯住宅。
2023年09月08日 09:10 Category : ニュース
今回は、延べ床面積45坪を超える大型二世帯住宅を建てられたS様の家づくりをご紹介させていただきましょう。
土地探しからの家づくりでした。
大人数で暮らす二世帯住宅ですから、お部屋の数も収納スペースも妥協するわけにはいきません。
玄関を共有するにしても、どうしても150㎡くらいは必要なのです。
ここで問題になるのは、土地探しです。
150㎡の建物が建てられる土地となると、それなりの大きさが必要。
ということは、金額も比例して高くなります。
建物も、二世帯住宅となれば、2軒分とまではいかないまでも、相当の金額になります。
となると、予算オーバーが必定。
当社と提携している不動産会社さんからも、条件的にかなり厳しい!といわれ、暗礁に乗り上げていたところ、お施主様より
「この土地はどうでしょう?」
とお声がけいただきました。

地型
クランク状の変形地ですが、土地の面積は50坪超。
容積率も150%あるので、計算上は十分入ります。
実際の現地はというと、

建築前
左手にマンションが建っていますが、方角は北側。
周囲も住宅に囲まれてはいますが、多くの場合、それはどこも同じとも考えられます。
なによりも、変形地で周囲に建物が建っているということで、最も高かった予算の壁を乗り越えられるかもしれない期待感がありました。
とはいえ、土地の取引は、細かな法規制や権利関係など、よく調べてみないとわからないことも多いのです。
賢明なお施主様は、ここでご自身だけの判断で購入を決めず、当社にご相談いただきました。
提携している不動産会社さんで詳細を調べつつ、当社の設計担当がこの敷地にご要望を叶える建物が入るかどうかを確かめると、

配置図
無事に収まりました。
調査の上、その他の問題もクリアできることを確認し、土地の契約、建物の建築へと無事進むことができたのです。
完成した建物はこちら。

完成した外観
前面は、一段下がっている上、お隣様の駐車場なので抜けています。
右手に比較的広いスペースもあるので、何かと便利だと思います。
なによりも、こんなに立派な二階建ての二世帯住宅が実現できたのを嬉しく思います。
それでは内部もご紹介させていただきましょう。

玄関
玄関だけは共用するので、靴が溢れないように階段下スペースを活用したシューズクロークを用意したしました。
左手前側にも玄関収納を設けているので、玄関に靴や外のものが散乱するのを防げると思います。
この階段を2階に上がると、

手洗い
ホールには手洗いを設けました。
ここに手洗いがあると、帰ってきたらその流れで手を洗いたくなりますよね。
洗面台は別に用意しているので、ここでは手を洗うのみ。
なので、シンクと水栓だけのシンプルなものですが、この方が素敵ですね。
この奥、左手の扉には、

トイレ
トイレを設置しています。
お手洗いはお家の奥にレイアウトしがちですが、ここにあるとお客さまもお通ししやすいし、リビングの外にあるし、手洗いともセットになるので、好都合なのです。
さて、いよいよリビングへ。

ブランコ
まず目に入るのはこのブランコ。
家づくりを進める中でリクエストをいただきました。
「何歳まで使うんだろう?」なんていうお話も出ましたが、お子さまが使えなくなったら、ハンモックチェアに差し替えるという手もあります。

リビング
リビングの全景はこちら。
開放感を高めるために屋根勾配の形状そのままの吹き抜けにしました。
太い梁が印象的です。
開放感を出したい気持ちもありますが、収納スペースも確保したい!
ということで、左手奥の階段を上がると、

小屋裏
小屋裏収納スペースがあります。
当面は子供たちの秘密基地として使われるのではないかと思いますが、将来はご家族の成長とともに増える荷物を収納することになります。
そんなときに助かるのが、固定階段であること。
収納式のハシゴだと、出し入れが手間ですし、不安定なので重い荷物を上げ下げするのが結構大変なのです。

キッチン
こちらはキッチンからの眺め。
リビングを一望できるので、子どもたちの様子をうかがいながら、家事をこなせます。

洗面
サニタリールームは、洗面化粧台のスペースと脱衣洗濯室を引き戸で仕切りました。
誰かが入浴中でも、気兼ねなく歯を磨いたりできます。

浴室
システムバスは、内寸が160㎝×160㎝の1616といわれるサイズ。
広ければ広いほど・・・と思われる方もいらっしゃいますが、あまり広いと掃除が大変だったりしますので、ちょうど良いと思います。
さて、1階に降りると、

1階リビング
2階の木目調からトーンが変わりまして、シックな印象に。
1階部分には小屋裏を設けるわけにはいきませんので、4帖弱のファミリークローゼットを設けていますが、それでも十分とは言えません。
そこで、この写真の左手の壁にあるアールの下がり壁から、正面に見える下がり壁までの、壁の向こう側に

ウォークスルークローゼット
このようなウォークスルークローゼットを設けました。
このスペースは、個室に面した廊下を兼ねているので、ご家族共用のクローゼットとしても使えるのです。
それぞれのお部屋にWICをつくると、スペースに無駄もできるし、コストもそれぞれにかかります。
廊下兼用のウォークスルークローゼットなら、衣類の量により譲り合って使えるので効率的です。

1階キッチン
右下に見えるのが床下エアコン。
冬には大活躍してくれるでしょう。

洗面脱衣室
1階の洗面脱衣室は、アクセントクロスを使いつつ、デザイン性の高い化粧台を設置して、見た目にもこだわった仕上がりに致しました。
右手の浴室は2階と同じ1616サイズを採用しています。
このように、玄関だけを共用しながら、それぞれのフロアが独立して生活できる水まわり設備や個室、小屋裏収納、WIC、ウォークスルークローゼットを実現できました。
改めて思いますが、注文住宅って、本当にいいですね。
S様、この度はおめでとうございました。
そして、大切な家づくりを当社に委ねていただき、本当にありがとうございました。
感謝申し上げます。
実邸レポート!たった1台のエアコンで、まるごと涼しい家。
2023年08月28日 09:56 Category : ニュース
昨日、今年1月にお引渡しを終えた、品川区のY様邸にお邪魔し、インタビューをさせていただきました。
詳細は後日、ホームページでご紹介させていただきますが、それに先立ちまして、たった1台のエアコンでどれくらい涼しいのか?を体感できましたので、この場でご報告させていただきます。

外観
1月の完成時にはポストがありませんでした。
落ち着いた色味の外壁に、差し色となる赤いポストがあるだけで、グッと引き立ちます。
さりげなくもうひとつ、

赤い水栓
水栓柱も赤。
白いボウルともマッチしています。
このような、意識を注がないと無難なものを選んでしまいそうなところに差し色を使われると、細かい部分にも気を遣って暮らしを大切にしたいと思っていらっしゃるお施主様なんだな、というのがよく伝わります。
さて、この日の外気温は、

外気温
35℃を超える猛暑日。
当然ですが、陽の当らないところでの気温です。
この手の温度計は、この時期、直射日光の当たるところに置いておくと、計測不能で液晶の画面が真っ黒になってしまいます。

吹き抜けリビング
こちらが2階のリビング。
シンプルナチュラルテイストの素敵な空間です。
詳しくは、後日ご紹介するお客様インタビューに譲るとして、今回の記事では、室内の快適さについてのみご報告しましょう。
左手の大きな梁に隠れている空間がキッチンの上部にあるロフトです。

ロフト内部
このようにロフトと吹き抜けは繋がっています。
写真には映っていませんが、右手前に冷房用のエアコンが設置されていて、このエアコン1台で家全体に涼風を送ります。

ロフトから
手すりの上からリビングを見た写真ですが、涼しい空気はロフトからこの空間を通ってゆっくり下がり、シーリングファンの風でお部屋全体に広がります。
サーモグラフィーで見るとこの通り。

サーモグラフィー
左手のアングルの画像をサーモグラフィーで見た画像が右のものです。
中央の〇囲み部分が左上の25.6℃。
特筆すべきは、窓や光の当たっているところ、人影以外が万遍なく同色系に染まっているところ。
部屋全体に冷気が及んでいるということです。
以前に当ブログで、当社のショールームで撮影した、同じような写真をご紹介しています。

ショールーム
こちらは中央の〇囲み部分が25.7℃。
やはり、窓と照明などの温度が高い部分以外は温度ムラがありません。
一方で、壁掛けエアコンはどうなるかというと、

壁掛けエアコン
左上の壁にあるエアコンから冷気が流れるところだけが青く温度が下がっていて、全体に温度ムラが大きいことがお解りいただけると思います。
昨日インタビューにお応えいただいた奥様のお話によると、
「エアコンの風が直接身体にあたるとすぐ寒くなってしまうので、冷房は苦手だったのです。でも、ロフトからの冷房は、シーリングファンの優しい風で冷気が運ばれるので、身体にあたるという感覚はなく、とても快適です。」
エアコンの設定温度については、
「今日はお客様がお見えになるということで、低くしていますが、普段は27℃の設定でちょうどいいくらいです。」
この日は、4人でお邪魔しましたので、一時的に22℃の設定まで下げて、その後少し冷えてきたので24℃まで上げていただきました。
さて、この冷気、1階をどの程度涼しくしてくれるのでしょうか?
冷気の通り道は、階段室とあまり大きくない吹き抜けのみ。

1階玄関
玄関に置いた温度計は27.6℃。
2階に比べると高いのですが、35℃の外から入ってくると、十分に涼しく快適に感じられました。
Y様のお宅は、夏は今回ご紹介したロフトのエアコン冷房、冬場は床下エアコン暖房と、たった2台のエアコンで夏も冬も快適に過ごしていらっしゃいます。
詳細は、後日ご紹介するインタビュー記事をご覧ください。
Y様邸は1月のお引渡し前に、床下エアコン暖房体感レポートもご紹介しています。
よろしければそちらもご覧ください。
完成!20代で始めた土地探しからの家づくり
2023年08月21日 17:47 Category : ニュース
ちょうど1年前に、初めてご来社いただいたお客様の家づくりをご紹介させていただきます。
20代の若さで「土地を買って、家を建てよう!」とご決断。
数年前のデフレから、打って変わってインフレに突入したニッポン。
土地の値段も上昇気味ですが、そんな中、手の届く範囲で納得のいく土地が見つかり、即決していただきました。
東側が傾斜して下がっている南道路の陽当たりのよい土地です。
土地・建物共に100㎡ほどのちょうど良い広さ。
駐車場の奥にある4枚の縦スリット窓がアクセントとなり、外観の意匠性を高めます。
中から見ると、
リビングは大きな吹き抜けになっています。
陽の低い冬は、2階部分にあたるスリット窓から、ダイニングの位置までしっかり陽が入ります。
反対側をうかがうと、
この開放感。
シーリングファンの右側に見える腰壁の向こうは個室に向かう廊下です。
用事があるときには1階から、「ちょっとー!」と声を掛ければ、
子供部屋から廊下に顔を出して「なにー?」なんて会話をするのも楽しいですね。
正面の壁、ダイニングには4m超の多目的カウンターを設置しました。
そのカウンターの右下に見えるのが、床下エアコン。
カバーがまだでしたが、北側の中央にあたるこの位置に設置して、冬はこのエアコン1台で家全体をじんわり暖めます。
暖気は上昇気流で下から上に、大きな吹き抜けを通じて2階も温めてくれます。
夏の暑い季節は夏用のエアコンを設置しています。
写真の中央に見える階段の正面のエアコンがそれです。
このお宅の特筆すべき魅力は大きく2つ。
1つはすでにご紹介した大きな吹き抜け。
で、もう一つは左側に見えるバルコニーです。
この土地は正面、東側に向かって下がっているとご紹介しましたが、その特徴を活かし、腰壁の位置を通常よりも少し高く設け、周囲からの視線をシャットアウトしています。
真夏の日差しをもろに受けると、とてもバルコニーにはいられないので、1mほど軒のように屋根を出して、日陰をつくっています。
バルコニーの床、左側から右上に向かって影っているのがそれ。
この影が、午後、西に傾くにつれ、大きく伸びることになります。
6畳の広さがあり、その1/3くらい屋根がかかっているので、様々なイベントを楽しめると思います。
人目が気にならないので、特に何をするでもなく、ぼーっと空を眺めて疲れを癒すのも良いと思います。
しかし、1つだけ問題があります。
ご覧の通り、片側1mの幅を優に超える掃き出しの窓。
「家は性能。」を掲げる鬼塚工務店の窓は、高い断熱性を備えた樹脂サッシを採用しているため、タダでさえ重いのですが、大きければ大きいほど重くなります。
パパならそれほど苦も無く開けることができると思いますが、ママや子供たちだと、開け閉めに苦労するはず。
そこで、
居室からも出入りできるように、テラスドアを設置しました。
これなら安心です。
どれくらい重いのか?体感をご希望でしたら、当社ショールームにご来場ください。(予約制)
同じサイズの窓はありませんが、感覚的にお分かりいただけるかと思います。
さて、吹き抜けとバルコニーという、わかりやすい魅力を最初にご紹介しましたが、子育て世代にとっては日々の生活が何より重要。
大切なのは動線や収納です。
キッチンから左手に見えますのは、ファミリークローゼット。(以下FC)
3帖ほどの広さがあり、枕棚や4段の可動棚を造作したので、収納力抜群。
大抵のものは収めることができます。
玄関からキッチンへは、リビングからも、このFCを経由する動線も設けてあるので、来客時や購入した物品を仕舞う際もとても便利だと思います。
さらにFCを抜けた正面には、
洗面脱衣洗濯室をレイアウト。
天井吊り下げ物干しもあるので、脱ぎ、洗い、干し、仕舞うをこの場所で完結することが可能です。
洗濯物を乾かすこともできる乾燥機能の付いた浴室は、通常よりゆったり入れる1616サイズ。
掃除がしやすく、スタイリッシュなタンクレストイレには、クラシカルなアクセントウォールで、引き締まった印象に仕上げました。
「20代で始めた土地探しからの家づくり」ご紹介させていただきました。
ただ単に家を持つのが目的なら、建売住宅を選んだ方が、簡単でしょう。
でも、大きな吹き抜けやバルコニー、自分たちの生活にあった収納や動線計画の実現など、「したい暮らし」を実現するなら、絶対に注文住宅をお勧めします。
お客様が暮らしたい家のイメージをカタチにしつつ、ご自身では気がまわりにくい、住宅性能=耐震性、断熱性、気密性などの安心安全、快適に暮らすための基礎的な要件をしっかり押さえておくのが私ども工務店の大切な役割だと考えています。