鬼塚工務店が施工する住宅は、地震に対して、二段構えで備えています。
まずは地震の揺れに耐える、耐震性。
耐震性とは、地震によって建物が損壊しない性質のことです。
2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で、はじめて住宅性能のレベルを表す住宅性能表示制度が始まりました。
耐震性能は、複数ある住宅性能評価項目のひとつで、低い順に等級1から3まで3段階あります。
さらに、評価方法は2つに分かれていて、簡易的に定める性能表示計算によるものと、許容応力度計算(構造計算)によるものがあり、後者の方がより精緻に計算されることから、安全性が高いと言われています。
当社は、許容応力度計算による耐震等級3を全棟で取得しています。
「耐震等級3である必要があるのか?」
という疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、2016年4月に発生した熊本地震では、新築から10年に満たない耐震等級2の家が倒壊してしまったのです。
それゆえ、当社では今考えられる最高基準の許容応力度計算による耐震等級3を全棟で取得しているのです。
もうひとつの備えは制震です。
許容応力度計算による耐震等級3を取得していれば、おそらく大地震が来ても、倒壊するようなことはないと思います。
しかし、大きな地震がくれば、耐震等級3の家といえども大きなダメージを受けることは避けられません。しかも大地震が発生すれば地殻や活断層に大きな歪みが発生しているので、地震が頻発する可能性が非常に高いのです。
2016年に起きた熊本地震では、震度7を超える大地震が2度にわたって発生しましたが、実はその後、4か月の間に、震度5以上の地震が15回も発生しています。
「大きな地震が何度も来て衝撃を受け続けたら、その家に住み続けることが出来なくなってしまうかもしれない」
そんな危惧から、地震の揺れを吸収して、建物への影響を最小限に抑える制震装置を採用することにいたしました。
住友ゴム工業株式会社の制震ダンパー「MAMORY L」です。
その効果を京都大学の防災研究所で実験しています。
一般的な住宅と制震ダンパーを装着した耐震等級3相当の住宅、双方に熊本地震と同レベルの地震波を加えると、装着していない家は横向きに大きく約3.5mも揺れ倒壊してしまったのに対し、制震ダンパーを装着した家は、わずか4cm程度に抑えられました。
この制震ダンパーは、内部に弾む力を熱に変えて変形を抑える高減衰ゴムが内蔵されており、地震の揺れを吸収するのです。
また、従来の制震ダンパーは、耐震壁とは別の壁に装着する必要があったため、設計段階で大きな制約となりがちでした。
「MAMORY L」は、既存の耐震壁に装着できるため、専用の壁を設ける必要がありません。
しかも、60年もの長期に渡り、性能が変わらないことが確認されていて、メンテナンスも不要です。
この高減衰ゴムを使った制震ダンパーは、熊本地震で大きな被害を受けた熊本城の復旧や、長崎の女神大橋など、大規模な建築物でも使われています。
家族を守る家を、当社に委ねていただいたお客様には、大地震が来ても、そのままその家に住み続けることができる家をご提供したい、そのように考えています。