実邸レポート!たった1台のエアコンで、まるごと涼しい家。
2023年08月28日 09:56 Category : ニュース
昨日、今年1月にお引渡しを終えた、品川区のY様邸にお邪魔し、インタビューをさせていただきました。
詳細は後日、ホームページでご紹介させていただきますが、それに先立ちまして、たった1台のエアコンでどれくらい涼しいのか?を体感できましたので、この場でご報告させていただきます。
1月の完成時にはポストがありませんでした。
落ち着いた色味の外壁に、差し色となる赤いポストがあるだけで、グッと引き立ちます。
さりげなくもうひとつ、
水栓柱も赤。
白いボウルともマッチしています。
このような、意識を注がないと無難なものを選んでしまいそうなところに差し色を使われると、細かい部分にも気を遣って暮らしを大切にしたいと思っていらっしゃるお施主様なんだな、というのがよく伝わります。
さて、この日の外気温は、
35℃を超える猛暑日。
当然ですが、陽の当らないところでの気温です。
この手の温度計は、この時期、直射日光の当たるところに置いておくと、計測不能で液晶の画面が真っ黒になってしまいます。
こちらが2階のリビング。
シンプルナチュラルテイストの素敵な空間です。
詳しくは、後日ご紹介するお客様インタビューに譲るとして、今回の記事では、室内の快適さについてのみご報告しましょう。
左手の大きな梁に隠れている空間がキッチンの上部にあるロフトです。
このようにロフトと吹き抜けは繋がっています。
写真には映っていませんが、右手前に冷房用のエアコンが設置されていて、このエアコン1台で家全体に涼風を送ります。
手すりの上からリビングを見た写真ですが、涼しい空気はロフトからこの空間を通ってゆっくり下がり、シーリングファンの風でお部屋全体に広がります。
サーモグラフィーで見るとこの通り。
左手のアングルの画像をサーモグラフィーで見た画像が右のものです。
中央の〇囲み部分が左上の25.6℃。
特筆すべきは、窓や光の当たっているところ、人影以外が万遍なく同色系に染まっているところ。
部屋全体に冷気が及んでいるということです。
以前に当ブログで、当社のショールームで撮影した、同じような写真をご紹介しています。
こちらは中央の〇囲み部分が25.7℃。
やはり、窓と照明などの温度が高い部分以外は温度ムラがありません。
一方で、壁掛けエアコンはどうなるかというと、
左上の壁にあるエアコンから冷気が流れるところだけが青く温度が下がっていて、全体に温度ムラが大きいことがお解りいただけると思います。
昨日インタビューにお応えいただいた奥様のお話によると、
「エアコンの風が直接身体にあたるとすぐ寒くなってしまうので、冷房は苦手だったのです。でも、ロフトからの冷房は、シーリングファンの優しい風で冷気が運ばれるので、身体にあたるという感覚はなく、とても快適です。」
エアコンの設定温度については、
「今日はお客様がお見えになるということで、低くしていますが、普段は27℃の設定でちょうどいいくらいです。」
この日は、4人でお邪魔しましたので、一時的に22℃の設定まで下げて、その後少し冷えてきたので24℃まで上げていただきました。
さて、この冷気、1階をどの程度涼しくしてくれるのでしょうか?
冷気の通り道は、階段室とあまり大きくない吹き抜けのみ。
玄関に置いた温度計は27.6℃。
2階に比べると高いのですが、35℃の外から入ってくると、十分に涼しく快適に感じられました。
Y様のお宅は、夏は今回ご紹介したロフトのエアコン冷房、冬場は床下エアコン暖房と、たった2台のエアコンで夏も冬も快適に過ごしていらっしゃいます。
詳細は、後日ご紹介するインタビュー記事をご覧ください。
Y様邸は1月のお引渡し前に、床下エアコン暖房体感レポートもご紹介しています。
よろしければそちらもご覧ください。
完成!20代で始めた土地探しからの家づくり
2023年08月21日 17:47 Category : ニュース
ちょうど1年前に、初めてご来社いただいたお客様の家づくりをご紹介させていただきます。
20代の若さで「土地を買って、家を建てよう!」とご決断。
数年前のデフレから、打って変わってインフレに突入したニッポン。
土地の値段も上昇気味ですが、そんな中、手の届く範囲で納得のいく土地が見つかり、即決していただきました。
東側が傾斜して下がっている南道路の陽当たりのよい土地です。
土地・建物共に100㎡ほどのちょうど良い広さ。
駐車場の奥にある4枚の縦スリット窓がアクセントとなり、外観の意匠性を高めます。
中から見ると、
リビングは大きな吹き抜けになっています。
陽の低い冬は、2階部分にあたるスリット窓から、ダイニングの位置までしっかり陽が入ります。
反対側をうかがうと、
この開放感。
シーリングファンの右側に見える腰壁の向こうは個室に向かう廊下です。
用事があるときには1階から、「ちょっとー!」と声を掛ければ、
子供部屋から廊下に顔を出して「なにー?」なんて会話をするのも楽しいですね。
正面の壁、ダイニングには4m超の多目的カウンターを設置しました。
そのカウンターの右下に見えるのが、床下エアコン。
カバーがまだでしたが、北側の中央にあたるこの位置に設置して、冬はこのエアコン1台で家全体をじんわり暖めます。
暖気は上昇気流で下から上に、大きな吹き抜けを通じて2階も温めてくれます。
夏の暑い季節は夏用のエアコンを設置しています。
写真の中央に見える階段の正面のエアコンがそれです。
このお宅の特筆すべき魅力は大きく2つ。
1つはすでにご紹介した大きな吹き抜け。
で、もう一つは左側に見えるバルコニーです。
この土地は正面、東側に向かって下がっているとご紹介しましたが、その特徴を活かし、腰壁の位置を通常よりも少し高く設け、周囲からの視線をシャットアウトしています。
真夏の日差しをもろに受けると、とてもバルコニーにはいられないので、1mほど軒のように屋根を出して、日陰をつくっています。
バルコニーの床、左側から右上に向かって影っているのがそれ。
この影が、午後、西に傾くにつれ、大きく伸びることになります。
6畳の広さがあり、その1/3くらい屋根がかかっているので、様々なイベントを楽しめると思います。
人目が気にならないので、特に何をするでもなく、ぼーっと空を眺めて疲れを癒すのも良いと思います。
しかし、1つだけ問題があります。
ご覧の通り、片側1mの幅を優に超える掃き出しの窓。
「家は性能。」を掲げる鬼塚工務店の窓は、高い断熱性を備えた樹脂サッシを採用しているため、タダでさえ重いのですが、大きければ大きいほど重くなります。
パパならそれほど苦も無く開けることができると思いますが、ママや子供たちだと、開け閉めに苦労するはず。
そこで、
居室からも出入りできるように、テラスドアを設置しました。
これなら安心です。
どれくらい重いのか?体感をご希望でしたら、当社ショールームにご来場ください。(予約制)
同じサイズの窓はありませんが、感覚的にお分かりいただけるかと思います。
さて、吹き抜けとバルコニーという、わかりやすい魅力を最初にご紹介しましたが、子育て世代にとっては日々の生活が何より重要。
大切なのは動線や収納です。
キッチンから左手に見えますのは、ファミリークローゼット。(以下FC)
3帖ほどの広さがあり、枕棚や4段の可動棚を造作したので、収納力抜群。
大抵のものは収めることができます。
玄関からキッチンへは、リビングからも、このFCを経由する動線も設けてあるので、来客時や購入した物品を仕舞う際もとても便利だと思います。
さらにFCを抜けた正面には、
洗面脱衣洗濯室をレイアウト。
天井吊り下げ物干しもあるので、脱ぎ、洗い、干し、仕舞うをこの場所で完結することが可能です。
洗濯物を乾かすこともできる乾燥機能の付いた浴室は、通常よりゆったり入れる1616サイズ。
掃除がしやすく、スタイリッシュなタンクレストイレには、クラシカルなアクセントウォールで、引き締まった印象に仕上げました。
「20代で始めた土地探しからの家づくり」ご紹介させていただきました。
ただ単に家を持つのが目的なら、建売住宅を選んだ方が、簡単でしょう。
でも、大きな吹き抜けやバルコニー、自分たちの生活にあった収納や動線計画の実現など、「したい暮らし」を実現するなら、絶対に注文住宅をお勧めします。
お客様が暮らしたい家のイメージをカタチにしつつ、ご自身では気がまわりにくい、住宅性能=耐震性、断熱性、気密性などの安心安全、快適に暮らすための基礎的な要件をしっかり押さえておくのが私ども工務店の大切な役割だと考えています。
42㎡の敷地に建てた延床75㎡の ”ちいさな家”
2023年08月12日 06:31 Category : ニュース,施工事例,狭小
先月完成、お引渡しをした12坪の土地に建てた3階建てのお住まいをご紹介しましょう。
駅からほど近く大変便利な好立地、正面には桜並木があります。
土地の面積が広くないケースでは、オープン外構にしてフェンスをご提案しないことも多いのですが、桜まつりが開かれるほどの名所なので、外構フェンスもしっかり設けました。
フランクな外国人観光客の方が増えている中、オープン外構にしてアプローチの階段に腰かけられたりすると、ちょっと嫌ですよね。
玄関ドアの左側に四角い何かがあるの、お判りいただけますでしょうか?
寄ってみましょう。
明るい昼間だと、外の桜が映っていますが、暗くなると中の様子がうかがえるはず。
中はこうなっています。
カウンターを設け、上からスポットライトで照らしています。
陶芸のお仕事をされているお施主様が、作品を飾るカウンターです。
今回のお住まいは、1階に工房を確保するお住まいなのです。
玄関の右手にタイル張りの土間を設け、作業ができるようになっています。
アイアンの階段下にはこれから収納棚を設け、作品などを格納、展示します。
今回、床の面積がご覧の通り限られるので、床下エアコン暖房は採用しておりません。
でも、焼物用の窯が入るので不要かもしれませんね。
壁面の一部には有孔ボードを設置して、多様な収納を設けられるようにしています。
その背面の上下に見えているクロスは、よく見ると「ハリネズミ」。
「可愛らしいけど、全面に使うにはちょっとうるさいかも」
絶妙な採り入れ方だと思います。
有孔ボードの左隣の扉を開けると、
とても重要な水栓を用意しています。
土地12坪でも、必要な機能はしっかり備えています。
お客様がいらっしゃるケースも多いでしょう。
独立した洗面化粧室は、落ち着いた色味で、和洋折衷な大正ロマンを思わせる素敵なデザインです。
アンティークな雰囲気のある建具が、落ち着きを感じさせます。
今回のお住まいは、細かなマテリアルに意を注ぎ、ひとつひとつ慎重にお選びいただいています。
スペースが限られる中、洗濯物も干せる脱衣洗濯室を設けました。
一日の疲れを癒すバスルームは1616サイズの一般住宅と同等かやや大きいものを選んでいます。
1階の延べ床面積は25㎡弱ですが、無駄なく必要なスペースはしっかりと確保しています。
こちらは2階のLDK。
無垢の木の肌触りを感じられるブラックチェリーのフローリングが見た目にもとても効いています。
キッチンに立てば、外の景色が一望。
遠くにビルが見えますが、抜けているので外からの視線も気になりません。
窓の下にちらりと見えているのは、多目的に使えるカウンター。
壁面にはタイルを貼り、ランダムにガラスアートをちりばめています。
このガラスアートはお施主様ご自身で焼いたもの。
ご自身で作った作品を、ご自宅に取り入れることができるのは、芸術家の特権です。
2階から3階に上がる階段の手すりは、1‐2階とは異なる趣で無垢の木を採用しました。
主に寝室へ向かうその手すりは、鉄よりも木の方が安らぎますね。
アクセントウオールを2つの面で使うケースはあまり多くありませんが、有孔ボードの効果もあり、しっかりマッチしています。
こちらは間接照明が素敵な納戸です。
勾配天井をそのまま活かし、圧迫感がないようにしています。
面積が限られる小さなお家ですが、それだけに採り入れる素材を吟味したとても素敵なお住まいが仕上がりました。
このような、特別なお仕事をされていて、高い感性ををお持ちのお客様にご依頼をいただき、大変勉強になりました。
土地収用後のお建て替え
2023年07月24日 10:16 Category : ニュース
左側の黒太線が道路です。
一つの土地に、建物は一つしか建てられません。
今回の土地の場合、左側の細長い先端部分が、3mちょっとしか接道していないので、土地を2つに分けることもできません。
全体像はこの通り。
左から、店舗出入口、親世帯玄関、出入り口のない壁面が廊下で、右手奥が子世帯玄関です。
それでは、完成直前の様子をご紹介しましょう。
まずは子世帯LDKから。
1階の居室はLDKのみで17帖の広さを確保しました。
当社ショールームでご覧いただいたひのきの床を気に入っていただき、全面に採用していただきました。
カウンターに立つと、リビングダイニング全体を見渡せ、子どもたちを見守ることができます。
2階には洋室を4部屋確保しました。
西側に林があるので、西日を遮りつつ、見た目にも緑が映えます。
可動式の建具を折りたためば、10帖超のプレイルームに早変わり。
来客時やライフステージの変化に対応できるプランです。
こちらが子世帯玄関から親世帯につながる廊下を見たところ。
まっすぐ進み右に曲がると、
親世帯の1階=新店舗へとつながります。
新しいお店の造作は、当社で請け負うよりも専門の会社に依頼していただいた方がなにかとスムーズですので、お引渡しの後、バトンタッチします。
2階に上がると親世帯のLDKへ。
白い床、壁、天井のキャンバスに、真っ赤な面材のキッチンとハイサイドサッシに見える緑が映えます。
ビビッドな彩度の高い色味を一部に取り入れると、明るい気分になりテンションが上がりますね。
洗面化粧台や浴室、さらに、
トイレの便器はピンクで統一。
どのフロアに居ても明るい気分になれそうです。
今回は、土地の収用によって、お建て替えが難しい変形地になってしまった事例をご紹介しました。
このようにご紹介すると、それほど大きな支障もなくスムーズに進んだように思われてしまうかもしれませんが、役割の違う行政機関に一つ一つ状況を報告しながら指導を受け、承認を得ていく作業は、骨が折れますし、いつまでたっても承認が得られないケースもあり、簡単にはいかないのです。
家を建てる際には、様々な壁が立ちはだかるケースが少なくありません。
崖地、狭小地、変形地、権利関係が複雑な土地など多種多様な問題が起こります。
これまでもお悩みを抱えた多くのお施主様からご相談をいただいてきましたが、全力を尽くして解決してまいりました。
当然、必ず解決できますとは言えませんが、解決に向けて全力を尽くすことはお約束いたします。
お悩み事がございましたら、家づくり相談室までご連絡ください。
問題を解決されたお客様インタビューを掲載しております。
夏の小屋裏エアコン体感会スタート!
2023年07月10日 06:50 Category : ニュース
いよいよ暑い夏がやってきました。
横浜では、既に連日、最高気温30℃超えの真夏日が続いています。
猛暑が続くことで、最も頭を悩まされること。
それは、熱帯夜で熟睡できず、疲れがとれないことではないでしょうか?
あまり広くない寝室でエアコンをつけると、どうしても身体に冷たい風があたり、寝付けない。
明け方に切れるようタイマーを設定すると、切れた頃に汗だくになって起きてしまう。
そうならないように、つけっぱなしにすると、朝方寒くて目が覚め、夏風邪を引いてしまったたことも。
なぜ、壁掛けエアコンではうまくいかないのか?
それは、壁掛けエアコンは天井から30cmくらい下に吹き出し口があって、しかも斜め横を向いているからです。
この写真は、壁掛けエアコンの風の流れをサーモグラフィーで確認したものです。
左の写真、中央やや右にエアコンがあります。
右のサーモグラフィー、真ん中の〇が左上に明示されている、26.3℃であることを示しています。
〇の右上、エアコンの吹き出し口が濃く、左斜め下に向けて青くなり、温度が下がっているのがお分かりいただけると思います。
このように、壁掛けエアコンは、冷たい風がななめ横に流れるため、あまり広くない部屋だと、どうしても風を感じてしまいます。
また、温度を察知するセンサーは一般的にエアコン内部にあります。
温度を下げようとすると、そのセンサーが設定温度に届くまでずっと冷やし続けることになり、ベッドがある床下に近い部分は、寒くなりすぎてしまいます。
寒いからといって、温度を上げるか、エアコンを切ると、今度はムシムシと暑くて寝苦しい。
このように壁掛けエアコンは、短時間で快適な温度をキープするのが難しいのです。
それに比べ、当社が提案する小屋裏エアコン冷房は、快適な温度で家中まるごと冷やし続けるので、温度ムラがありません。
部屋の中央部分は25.7℃。
窓や照明の黄色から赤くなっているところを除いて、全体が冷やされているのがおわかりいただけると思います。
家の一番高いところにある小屋裏に設置したエアコンから、距離のある寝室に冷気が届くまでには、風の勢いは緩やかになり、しかも天井か、天井に近い壁に吹き出し口を設け、冷気が自然と降り注ぐので、寝ているときに風を感じることはほとんどないのです。
右側のサーモグラフィーの画像、白い矢印で示したのが、吹き出し口です。
室温がどの部屋も、部屋のどの部分もほぼ一定で、ほとんど風を感じないのであれば、猛暑日だろうが、熱帯夜だろうが関係なく、グッスリおやすみいただけるとおもいます。
今週より、当社ショールームにて、小屋裏エアコン体感会を実施しております。
興味のある方は、ぜひこの心地よさを体感してください。
「小屋裏エアコンって、全館空調のこと?」
と思われた方、その通り、夏の全館空調のことです。
ちがうのは、圧倒的なコストの差です。
一般的な全館空調システムは、250万円〜くらいかかると思います。
小屋裏エアコン冷房は、たった1台の家庭用エアコンを小屋裏に設置して、空気の通り道を確保するだけなので、圧倒的に安くすみます。
構造もシンプルで、メンテナンスの手間も、コストも抑えられる、理想的な冷房システムだと、自信を持っています。
この夏、ぜひ、体感しにきてください。
ショールームでは、当社がおススメしている塗り壁材
エスタコウォールで仕上げたアールの壁面や、
施工から3年が経過し、自然に焼けてきた無垢のひのきもご覧いただけます。
見学会は完全予約制ですので、お電話か問い合わせフォームより、お申込みください。
家づくりを成功させる秘訣のひとつは、「いいな!」と思った住宅設備や素材をできるだけたくさん見つけ、見て触って体感すること。
採用するか否かは、その後に吟味して決めればいいのです。
せっかく家を建てる機会に恵まれたのなら、小屋裏エアコン冷房も、エスタコウォールも、ひのきの床も、ぜひ一度ご覧いただいて損はないと思います。
ご来場をお待ちしております。
2025年4月、4号特例が見直されます
2023年05月29日 11:11 Category : ニュース
先週金曜日の夕暮れ時、緊張感を煽る緊急地震速報が流れ、直後に大きな揺れを感じました。
横浜市の震度は3でしたが、肝を冷やすには十分な揺れでした。
地震はいつ起きても嫌なものですが、今回の地震にはいつも以上に不安を感じた方も多かったのではないでしょうか?
それは恐らく、ここ最近、地震が多発していて、大きな揺れがくるのでは?と予感していたからではないかと思います。
日本気象協会のサイトによると、今年1月から震度5以上の地震は8回発生し、そのうち7回がこの5月に起きています。
昨年1年間では、15回発生していますが、一都三県が震源になっているケースはありませんでした。
地震を自分事として感じると、「そういえば関東大震災はちょうど100年前、1923年だったんだ」とか、「今後30年の間に大地震が発生する確率は70%だとか。あれから何年たったんだろう?」とか気になりだします。
ちなみに、政府の地震調査委員会が今後30年間に70%の確率で起きるとした首都直下型地震。
発表されたのは今から9年前の2014年です。
ということは、これから家を建てられる方は、その家で暮らしている20年の間に首都直下型地震に遭遇する可能性が70%もある、と考えて間違いなさそうです。
そんないつ爆発するかわからない時限爆弾のように迫りくる危険な地震を前に、住宅を建てる際の、安全にかかわる重要な「構造」のルールが見直されることになりました。
4号特例とは、簡単に言うと、2階建てまでの木造住宅なら構造関係の審査は省略します、というルールです。
このルールができたのは今から40年前、バブル崩壊の数年前です。
当時は、新しい家がどんどん建っていたので、行政の審査が間に合わず、建築士が設計するなら大丈夫だろう、ということで建築基準法が改正されました。
しかし、その後大きな地震が発生し、比較的新しい家が倒壊したり、何らかの事情で不適切な設計が発覚する度に問題視されてきました。
そして、2016年に発生した熊本地震で、最新の耐震基準をクリアしていたにもかかわらず、築浅の家が複数倒壊してしまった痛ましい事故が発生、見直しの機運が高まり、今回の決定に至りました。
見直しのポイントは3点です。
ポイント①今までは、木造2階建てなら審査制度省略の対象でしたが、今後は200㎡以下の平屋建てだけが対象になり、木造2階建ては審査省略制度の対象外になります。
いちいち審査を行うのは大変で手間がかかりますが、絶対に必要な備えだと思います。
省略制度の対象から外れる住宅は、構造関係の規定図書を提出する必要が生じます。
今回の見直しの背景には、建築物省エネ法の見直しも関連しています。
構造審査の省略を見直すひとつの理由として、省エネ関連の設備=太陽光発電や高断熱化するための断熱材、高断熱窓等による住宅の重量化に対応するためという要因も挙げられています。
同じタイミングで省エネ関連の図書と構造規定の図書を新たに提出することが義務付けられます。
この制度は2年後の2025年4月から始まります。
ということは、あと2年ほどは、構造規定の審査が省略された木造2階建ての家が建つことになります。
10年前にあと30年以内に大地震がくると、政府の地震調査委員会が発表している中、耐震強度を担保する構造の審査を受けない家が今も合法的に建てられているのです。
「知らなかった!」では済みません。
構造の審査を受けずに建てた家を、この先20年以内に関東大震災並みの地震が襲ったら・・・。
7年前の熊本ではそれが現実のものとなりました。
そんな危険な家を、今は合法的に建てることができてしまうのです。
「家づくりのプロなんだから大丈夫だろう」と、依頼先任せににしてはいけません。
自分の家は自分で守る、耐震に関しては、そんな厳しい目でチェックする必要があるのです。
当社は、耐震については、お客様のご要望に寄らず、今考えられる最高レベルの強度を採用しています。
当社の地震に対する考え方、備えについてはこちらをご覧ください。
質問しながら詳しく聞きたいということであれば、家づくり相談会にお越しください。
ご予約はお電話か問い合わせフォームよりお願いいたします。
ハウスオブザイヤー インエナジー2022にて優秀賞受賞
2023年04月27日 16:53 Category : ニュース
この度、当社は、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2022」において、優秀賞を受賞いたしました。
ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーとは、省エネルギー性能に優れた住宅を提供する会社を表彰する制度です。
評価のポイントは3つ。
たった2台のエアコンで、夏も冬も快適な家@横浜市保土ヶ谷区
2023年04月17日 17:33 Category : ニュース
4/6にアップした事例に続きまして「たった2台のエアコンで、夏も冬も快適な家」お引渡し前に撮影した画像とともにご紹介させていただきます。
家づくりに関して、とても深く、幅広く、勉強されていらっしゃったお施主様。
床下エアコン暖房や、小屋裏エアコン冷房、耐震テープ等々、ご夫婦が叶えたい注文住宅に対する要望に対応可能な工務店は?という視点で探された結果、当社にご縁をいただきました。
こちらは玄関。
3帖の広さを確保して、オープンな空間にシューズインクロークを設けています。
玄関スペースとは別に、土間スペースがあると、家の中に上げたくない大きな荷物があった場合の一時保管場所としても重宝します。
仕切りの壁面の中に、格納できる椅子を設けました。
立ったまま靴を脱いだり履いたりするのは、厳しい姿勢を強いられます。
まだお若いご夫婦ですが、あれば便利ですし、ご両親やお客様がいらしたときには大活躍すると思います。
特にご年配のお客様の場合は、これがあるか、ないかで、遊びにいらした時の印象もかなり違ってくると思います。
リビングをキッチン側から見たところ。
腰かけることもできるし、ゴロリと横にもなれる小上がりの畳空間=「畳が丘」。
不足するリビング収納を補う、畳の下スペースをたっぷり活用できることも採用の決め手となりました。
右手に見えるアーチの下がり壁が印象的な小部屋は、
階段下を活用したキッズスペースです。
「秘密基地」のような、「かまくら」のような、ワクワクする空間に仕上がりました。
こちらが冬に大活躍する床下エアコン暖房を設置した、ファミリークローゼットです。
先ほどご覧いただいたリビングの写真もそうでしたが、床材は岐阜・かしもの東濃ひのきの無垢材です。
ガス温水式床暖房や、電気式の床暖房ではなかなか使えない無垢フローリングも、床下エアコンなら材を選ばず使用可能です。
さて、こちらはリビング側からキッチン方向を見たところ。
右上に吹き抜けが見えます。
下からのぞいてみると、
ドドーンと、小屋裏の天井まで抜けています。
その高さ6m超。
シーリングファンのすぐ脇に木の枠が見えます。
早速、小屋裏まで上がってみましょう。
右奥のルーバーの奥にうっすら見えているのがシーリングファンで、このルーバーのある木枠が、下から覗いた時に見えたそれです。
正面から見るとこんな感じ。
夏場は、エアコンからの冷気をシーリングファンの風の流れを利用して下に落とします。
緩やかな風に乗った冷気は、まず2階へ。
この写真は2階のお部屋にある腰壁の位置から吹き抜けを見たところ。
時間をかけてゆっくり冷やし続けるので、冷気が2階から1階へと流れ続けます。
こちらが2階のお部屋を通る吹き抜けを、引いてみたところ。
正面左が、1枚前の写真を撮影したポジションとなった腰壁です。
このお部屋は、引き戸の向こう側をサンルーム=洗濯物干し置場として活用します。
「干しきれない!」という場合に備えて、手前にも1本バーを追加しました。
「引き戸を締めてしまうと、サンルームに空気が流れないのでは?」
と思ってしまいそうですが、そうならないように、吹き抜けにある2つの窓の右上に換気扇を設けました。
引き戸を締めても、この換気扇(正面に見えるサンルームの窓の左上)を使って、エアコンからのサラッとした空気が流れ込み、冷気も取り込めるようになっています。
さて、吹き抜けに面するお部屋はこれで良いとして、2階にはまだ寝室が3つもあります。
そのお部屋には、いかにして冷気を届けるかというと、
こうしています。
冷房の効いた小屋裏から、動力を使わずに冷気を落とすため、ハシゴで上り下りする吹き抜けを用意しています。
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れる性質を利用しています。
壁についているハシゴは、
メトリウスというクライミングメーカーのもの。
特にトレーニングをするため、というわけではありません。
小屋裏部屋へ上がるハシゴは、使わない時には壁に引っかけて置き、使う時だけ、取り外して小屋裏に掛けて使います。
しかし、それだと収納しておく場所をとるし、いちいちかけたり外したりするのも手間です。
しかも今回は、小屋裏部屋へ固定階段で上がる階段も取り付けてあります。
それなら、普段の上り下りはこの階段を使えば問題ないので、場所も取らず、見た目にもかっこいい、このトレーニング用のホールドを用いることにしたのです。
このホールド、一番上にはハシゴとなる反対側にも取り付けて、上に板を載せ、フタをすることができるようにしています。
小さいお子様がいる間は、危険な場合がありますので。
この小屋裏から冷気を自然に落とすお部屋が2つあって、あとはもうひと部屋。
このお部屋は、小屋裏エアコン冷房とはつながっていないため、自然に届けることができません。
さて、どうするか?
先ほどご覧いただいた、2階のサンルームを通って1階へ落すルーバーの写真。
右手に扉と換気扇が見えます。
開けてみると、
配管が見えますね。小屋裏の冷気を、ここでも換気扇を使って配管に送り、最も離れた2階のお部屋の、
天井から冷気を届けます。
このように1階LDK、2階4部屋へ、冷気を通すルートを確保致しました。
前回の「2台のエアコンで夏も冬も快適な家@横浜市緑区」でもご説明しましたが、人によって快適な温度は異なりますが、全館空調では、各部屋ごとに温度の設定を変更することはできません。
なので、キンキンに冷えたお部屋をお好みの方には、別途個別のエアコンを設置できるように、その下準備だけしてお引渡しをしております。
最後は、トイレのお写真。
なぜトイレかというと、エスタコウォールで仕上げた壁面の塗り仕上げが最もわかりやすい写真がこれだからです。
今回はほとんどの壁をこのエスタコウォールで仕上げました。
高い断熱性を備え、気密性も高めてあるから、2台のエアコンで夏も冬も快適なのです。
夏は余分な湿気を吸収し、乾燥する冬は湿気を吐き出す。
さらに、ニオイを吸収し、空気清浄機能も備えた漆喰塗り壁=エスタコウォールは、床下エアコン暖房と小屋裏エアコン冷房の、たった2台で快適に暮らせる家と、とても相性が良いと思います。
たった2台のエアコンで、夏も冬も快適な家@横浜市緑区
2023年04月06日 12:44 Category : ニュース
先日、完成間近のK様邸、撮影にお邪魔してまいりました。
おひさまの光がたっぷり入る、明るい家に!というご要望をいただきました。
前面道路側は、道を歩く方々の視線もあるので、視線が合うことのない位置に窓を設け、
南側にたくさんの開口部を設けています。
2階に大きな窓が3つ。
どのように光が入るかというと、こんな感じ。
リビングはMAX6m超の吹き抜けで開放感があり、光がたっぷり入ります。
リビングから上を見上げたところ。
青空に雲がぷかぷか浮かんでいるのがはっきりと見えます。
AV機器の収納BOXも兼ねた壁面テレビボードの前にソファが来ます。
お休みの日にのんびりとソファでくつろぎ、ふと視線を上げると、青空の中ゆっくりと雲が動いているのが見える。
額縁のように四方を切り取られてはっきりと見えるので、外で空を眺めるのとはまた違った味わいがあります。
こちらは、青空に雲が浮かんでいた窓の正面に位置するペニンシュラ(半島)型キッチン。
キッチンに立ちながら、壁掛けテレビの映像を見ることができます。
建売住宅を避け、注文住宅を選択されるご夫婦の多くがこだわるのは家事動線です。
今回もいい感じに納まっています。
キッチンで作業を行うママ。
ひと段落ついたら、さあ洗濯しよう!と、キッチン背後に見える引き戸を開け、左手を見ると、
脱衣室を兼ねたランドリールームがあります。
ちなみに左手にうっすら見えているのが浴室への入り口です。
ここで脱いで、洗って、吊り下げ物干しに干します。
カウンターも造作しているので、洗濯物を畳んだり、一時的な置場にするにも大変便利。
ちなみに先ほどの引き戸を開けた正面は、
洗面化粧台。
誰かが入浴中でも、ママが洗濯作業中でも気兼ねなく使えます。
拡大鏡をサイドに取り付けたので、近い将来発生するであろう、洗面所の渋滞回避にも役立ちます。
左手が先に見たランドリールームで、右手はファミリークローゼットになっています。
洗濯を終え、乾いたら数歩歩いてこのファミリークローゼットに仕舞える家事楽動線です。
さて、前振りが長くなりましたが、タイトルの「たった2台のエアコンで夏も冬も快適な家」。
このファミリークローゼット内、うっすらと映っている腰高までの壁に、床下エアコンが収まっています。
冬はこの床下エアコンからの暖気が、建物の基礎内部をじんわりと温め、リビングや先ほどご紹介した脱衣室兼ランドリールーム、玄関ホールなどの床下から室内に暖気を採りこみます。
基礎から暖められた暖気は、このような上昇気流に乗って、じんわりと建物全体を暖めます。
冬の床下エアコン暖房は、これまでに何度もご紹介してきました。
じゃあ夏の冷房は?
この吹き抜けの写真の真ん中あたり。2階に室内窓が見えますね。
その窓の上に小さな穴があるのがおわかりいただけるでしょうか?
寄ってみましょう。
吹き出し口が見えますね。
夏はこの吹き出し口から冷気が届き、部屋全体を冷やします。
それでは、元を辿ってみましょう。
2階の廊下に設置した収納ハシゴ。
これで小屋裏に上がります。
はい、こちらに用意されたのが、各部屋に夏の冷気を供給する小屋裏エアコン冷房です。
コンセントの左側に白い箱が見えていますが、それがエアコン本体です。
このエアコンから出る冷気を漏らさないように断熱材で多い、断熱ダクトを使って各部屋に届けます。
ルートごとの行き先はこの通り。
先に見たリビングの吹き出し口が、右手の断熱材に囲われた配管に通じています。
「洋室1へ」のダクトの先は、
このように洋室1の天井へ、
アングルを変えた写真、二本並んでいるダクトの手前側が、洋室2、向こう側の壁に埋め込まれているのが洋室3に続くダクトです。
こちらが洋室2
洋室3です。
これが夏場に活躍する小屋裏エアコン冷房の構造です。
1台のエアコンから生じる冷気を1階のリビング、2階の個室3部屋に届けます。
冬の床下エアコン暖房とあわせて「2台のエアコンで夏も冬も快適な家」は、このような仕組みで実現しています。
当社のショールームや本社事務所で実験を重ねながら、その時点で最良と思われる方法をご提案しています。
地球温暖化の影響が日々大きくなる昨今。
夏の暑さはますます厳しくなり、エネルギー価格の上昇はしばらく収まりそうになく、いかに冬場の暖房費を抑えるかも大きな課題です。
このような温熱環境の問題をどう解決するか?
これからの家づくりを進める上で、欠かすことはできません。
CM等で宣伝されている全館空調システムを導入すれば簡単かもしれませんが、そのコストは数百万円単位に及びます。
当社がおススメしている床下エアコン暖房、小屋裏エアコン冷房は、普通の家電量販店で売られているエアコンを使い、暖気は上に、冷気は下にという、自然の法則を活用したシンプルな構造で、当社独自のシステムなので、コストも最小限に抑えられます。
一方で、問題がないわけではありません。
1台のエアコンで、家全体の温度をコントロールすることになりますので、各部屋ごとの調節はできません。
暑い夏、よくあるのは奥様が寒がりで、ご主人が暑がりなご夫婦の場合。
「どうしても我慢できない!」
という場合には、全体の室温は奥様の設定温度に合わせていただき、ご主人が使われるお部屋に別途エアコンを設置していただくことになります。(そのために、追加用のコンセントは用意してあります。)
多くの方が感じられているのではないかと思いますが、それほど広くない部屋に、エアコンを設置するのはちょっともったいないですよね。
家全体を涼しくする能力があるなら、活用しない手はない。
それでも不足する場合にだけ、追加すればよいのではないか?という発想です。
ご興味のある方は、夏のエアコンが必要な季節に、当社のショールームにお出かけください。
小屋裏エアコン冷房の涼しさをご体感いただけます。
ショールームは完全予約制ですので、お電話か問い合わせフォームにて、事前のご予約をお願いいたします。