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新築時、一番ケアすべきなのは雨漏りかも⁉

2022年03月25日 09:35   Category : ニュース

先日、ある保険会社の方のお話を聞いて驚きました。

新築住宅は、家を建ててから10年間、住宅に構造的な瑕疵(欠陥や不具合)があった場合、請け負った会社に無償で修繕や損害賠償を請求することができます。

しかし、いざそうなったときにその会社が倒産していたら、泣き寝入りすることになってしまいます。

そんなときのために、保険や供託で資力を確保して、万一の場合でも注文者が保護されるように、瑕疵保険会社が存在します。

で、その保険が使われる場合、どんな瑕疵が多いのかというと、約95%が雨漏りだというのです。

住宅あんしん保証という瑕疵保険会社が発表している、過去10年間のものです。

右のグラフはその雨漏りがどこで発生したか?というものですが、屋根、壁、窓やドアなどの開口部、バルコニーの4か所に限られています。

「新築住宅で雨漏りなんて・・・。そうそうあることじゃないよね。」

と思いますよね。

 

こちらは、住宅リフォーム・紛争処理支援センターが出しているものです。

この機関は、2000年に制定された住宅品質確保促進法(品確法)により、消費者と住宅会社の間で起きた問題を解決するための窓口として、国土交通省から指定を受けています。

この機関には、住まいるダイヤルという、「住まいの困ったを相談できる国土交通大臣指定の相談窓口」があり、一般消費者から電話で相談を受け付けています。

この年報に、相談件数の推移が出ていました。

相談件数推移

右肩上がりになっているのは、次第に認知が上がってきているということなのでしょう。

2019年度は新築で2.2万件の相談がありました。

この中にはマンションも含まれていますが、8割が一戸建て=16000件強となります。

これは、紛争処理センターに相談があった件数ですので、雨漏りに直結するわけではありませんが、これだけの相談が寄せられているということです。

昨年一年間で新築された注文住宅と建売を合わせると、42.7万戸ほどですから、単純計算すると3%強になります。

クラスに一人か二人いるイメージでしょうか。

他人事ではないと思います。

雨漏りは一度発生してしまうと、どこから雨水が浸入しているのかわかりにくく、対策が非常に困難です。

どこから漏れているのか調べるために、水を撒いて浸入経路を確認したりするのですが、それはわざわざ家の内部に水を浸み込ませるわけです。

家にいいわけありません。

だから、新築時に徹底的に雨漏りをしないように配慮しなければならないのです。

 

ではどうすればいいか?

これは、当社のような施工を請け負う会社が、雨水が浸入しそうなところを事前に察知して、しっかり手を打つかどうかにかかっています。

例えば、バルコニー。

バルコニー

どこに雨漏りが発生しそうかわかりますか?

 

床面はFRP防水というプールや船などにも使われる強力な防水を施すので、グレーの部分=床と立ち上がり部分はまず雨漏りしません。

危険なのはココです。

ココが危険!

バルコニーの角=入隅(いりすみ)と呼ばれる部分です。

通常、バルコニーには、この入隅が4か所あります。

バルコニーの手すりを覆う笠木と呼ばれる部分に落ちた雨水がこの入隅を通って床に流れ排水されます。

梅雨時などずっと雨が続けば、浸み込む可能性が十分あります。

ではどうすればいいか?

当社施工事例

このように隅の部分に防水をしてあげれば、ずっと雨が降り続いても雨水が入り込むことはありませんよね。

こう見ると当たり前にやっているように見えますが、「この入隅から雨が浸入する可能性があるから防水処理をしよう」としなければ何もせずに外壁材が設置されてしまいます。

 

次に、屋根・外壁。

どこが危険だかわかりますか?

屋根はルーフィングと呼ばれる防水紙、壁は防水シートで覆われて、その上から屋根材や外壁材が設置されます。

屋根や壁の平面が続く部分はしっかり防水対策がされているのでまず大丈夫です。

危険なのはこちら。

屋根の裏、軒下の部分が危険なのです。

直接雨が当たることのない部分は、通常の建材が使われていて、雨が吹きこんだり、屋根から裏側に伝ってしまえば、切れ目などから浸水する恐れがあります。

ではどうすればいいか?

当社施工事例 軒先

このように、通常、ルーフィングだけで済ませる軒先や軒裏を防水シートで覆ってから、ルーフィングを行います。

当社施工例 軒裏

軒裏はこんな感じ。

万が一、軒裏に水が入っても、防水シートの外側に流れ落ちるので、雨漏りの心配はありません。

屋根葺き完了

最終的には、ルーフィングののち、屋根を葺き、このように仕上がります。

これなら、一番危険な屋根と壁の接合部分から雨水が浸入する心配はありませんよね。

これも、「ここからは雨が浸入しそうだから手を打っておこう」としなければ、行われない作業です。

このような配慮が、家づくりにはとても大切です。

 

家は車などの工業製品と違い、手作業で行うことがたくさんあるので、細かい配慮があるかどうかで、仕上がりが全然違うのです。

しかもその違いは完成した家を見ただけでは判断できません。

 

じゃあどうやって見極めるのか?

 

それは、その会社が本当にお客様とご家族の幸せのために、大満足の家を建ててあげたい、と思っているかどうかだと思います。

そう思っていなければ、やるべき仕事をさっさと終わらせることが目的になり、細かな配慮など期待できませんよね。

 

会社を選ぶ際には、デザインや性能、使用する部材や建材、それにコストなど、たくさんの選択軸があります。

でも一番大切なのは、ご自分たちご家族のためにいい家を建てよう!と思ってくれているかどうか。

新築時にいい家が建った!と思っても、実は雨漏りしていた!なんてことになったら取り返しがつきません。

その視点を忘れずに、家づくりを進められることをお勧めいたします。

 

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