床下エアコン体感絵レポート@横浜市鶴見区
2023年12月02日 06:29 Category : ニュース
こちらから、動画でもご覧になれます。
今年一番の寒さとなった、2023年11月26日。
お引渡し前、完成間近の現地に、床下エアコンの効果を体感しに行ってまいりました。
ウエザーニュースによると、当日の横浜市鶴見区、最低気温は6℃、現地には9時前に到着しました。
玄関に至る階段中央は、自転車等を上げやすいようにスロープにしています。
その上、階段から始まるアプローチの半分は長めの庇で覆いました。
階段を上り下りする際、手が塞がって傘を差せないケースがあるので、役に立つと思います。
さて、玄関前の外気温は、
9時45分時点で、8.1℃。
小雨降る中、それまでの陽気で寒さに慣れていないこともあり、かなり寒く感じました。
この日はなかなか気温が上がらず、温度計を置いてからもしばらく気温が下がり続けたため、ひととおり撮影を終えた時刻の気温です。
いよいよ玄関の扉を開けると、
21.1℃。
「うー、暖かい、うれしい。」
思わず、こぼれるつぶやき。
風を感じることなく、建物の内部全体が暖まっている空間に足を踏み入れた感じです。
そのままホールを抜けてリビングへ。
ドドーンと吹き抜けのあるリビングは、引き戸で仕切れる洋室部分を含めると、27帖の広さがあります。
反対側から見るとこんな感じ。
2階は吹き抜けのまわりをグルリと廊下で囲み、1,2階双方からご家族の様子を窺い知ることができます。
リビングを一望できるキッチン、左端に床下エアコンの暖気を導くガラリが見えます。
キッチンに立つ奥様の手元は、
21.6℃。
ほぼ玄関と一緒です。
冬場、毎日の炊事で多くの奥様を苦しめるのは、足元が寒いこと。
床下エアコンの場合は、足の下を暖気が通って、先ほどのガラリから室内に送られるため、足元の床が冷たいということはあり得ないんです。
床自体が暖まっているので、裸足でもじんわりとぬくもりを感じます。
さて、その暖気を発する床下エアコンはどこにあるかというと、
リビングの一角にある、引き戸で仕切られた洋室に設置しました。
この空間を含めて、27帖超ありますから、かなり距離がある。
でも大丈夫、しっかり温めてくれていました。
こちらのサニタリースペースにもガラリがあります。
脱衣室はヒートショックの危険が最も大きい場所のひとつで、昔の家の寒さの象徴でした。
こちらも21.6℃。
全く寒さを感じませんでした。
1階のトイレは建物中央に近いため、床下の暖気が十分に通ると判断し、ガラリを設置していません。
それでも20.9℃。
安心の暖かさです。
床下エアコンなんだから、1階が暖かいのは当たり前、という声が聞こえてきそうです。
ということで2階に上がってみましょう。
1階から2階へ上がる階段を7段くらい上がったところから撮影したところ。
キッチンと2階ホールを見渡せる大空間です。
生活が始まると、1階でママがお料理をつくり、2階ホールでお兄ちゃんが遊んでいる、そんな風景を同時に見られる楽しいポジションです。
2階に到着。
階段と廊下、ホールでグルリと吹き抜けを囲み、ひとつの大きな空間であることを実感できますね。
しかし、大きな空間ほど暖気を行き渡すのは難しい。
1階に設置した床下エアコンで、2階を暖めることが果たしてできるのか?
心配ご無用、2階に置いた温度計、20.5℃。
ほとんど1階と変わりません。
サーモカメラで確認するとこんな感じ。
吹き抜け全体に暖気が行き渡っているのがお分かりいただけると思います。
こちらはその上の小屋裏収納。
夏に活躍する小屋裏エアコン冷房が格納されています。
この空間は、
19.4℃
ちょっと驚きましたが、小屋裏まで全く寒くありませんでした。
さて、この写真、温度計の背後にある網目のモノ、気になりますよね?
グレーチングと呼ばれる、道路の側溝や排水口のフタなどに用いられる建築資材です。
なぜ小屋裏にこんなものを使っているかというと、
もう、お解りですね、夏場、エアコンからの涼風を床下に届けるためです。
先に紹介した小屋裏エアコンの写真に写っていた2つのグレーチングは主寝室と、吹き抜けを通じて1階リビングに届けるもの。
右上から冷気を採りこみ、必要に応じてシーリングファンで攪拌します。
小屋裏の反対側には、右に2つ、左のコーナーにもひとつあり、計3つ用意しています。
左のお部屋は、
このように、建具の上に取り込み口を設けています。
下から覗くとこんな感じ。
2つ並んでいた右側は、
将来2つに分けられるタイプの子供部屋、下から覗くとこんな感じです。
小屋裏エアコンの冷気を各部屋に届けるのはなかなか難しい問題です。
一般的な全館空調は、家全体にダクトを張り巡らせ、各部屋に届けるのですが、それだと初期費用もかかるし、メンテナンスも大変です。
今回は当社の設計担当が「何とかダクトを設けずに各部屋に冷気を届けられないか?」と考えた末、この方法を編み出しました。
この方法だと、小屋裏収納の床下範囲に、吹き抜けのLDKと主寝室、3つの子供部屋の天井を含める必要があります。
本来、「下の階の壁の直上に上の階の壁を設ける」というのが地震に強い家のセオリーですが、このやり方だと壁の位置をずらす必要があります。
今回は壁の位置をずらしつつも耐震等級3を取得して、ダクトを使わない小屋裏エアコン冷房を実現することができました。
細かいお話しですが、注文住宅は1つ1つ、ご要望や条件が異なるので、前例を踏襲するだけではダメなのです。
初心を忘れず、今日もまた、はじめてお伺いするご要望に対し、最高のご提案ができるように努めた参りたいと思います。