25坪の敷地に建てる三世代で暮らす家。
2023年10月05日 07:33 Category : ニュース
先月末まで工事を行っていた、「25坪の敷地に建てる三世代で暮らす家」のご紹介をさせていただきます。
奥様のご実家を建て替えての二世帯住宅です。
2階建てだったご実家。
駐車場を確保しつつ、道路斜線や北側斜線を避けながら、110㎡の床面積を確保しました。
まず最初にご紹介したいのは、こちら。
1枚前のビフォーアフターのアフターと同じアングルの写真ですが、外壁材のラインがはっきり見えるようにコントラストを強調しています。
この外壁材、一般的なサイディングとちょっと異なるのですが、お解りになりますでしょうか?
この写真で分かったら、かなりすごいと思います。
何が違うかというと、一般的なサイディングのつなぎ目にあるシーリングがない(実際には少しだけあるのですが)シーリングレスサイディングを採用しています。
ニチハのCOOLという商品で、意匠を大切にする住宅はもちろん、レクサスやボルボといったカーディーラーや、プレミアムアウトレットなどの集客を目的とした商業施設にも採用されている外壁材です。
メーカのサイトによると、シーリング仕様だと、外壁材のデザインにおかまいなしで、シーリングの太い目地が写真左のように目立ってしまうのですが、シーリングレスタイプですと、四方合いじゃくり工法により、板の継ぎ目が目立ちにくいのです。
四方合いじゃくり工法とは、
このように、4枚の板で互い違いに組み合わせるため、つなぎ目が目立たない施工が可能になるのです。
「外壁サイディングのシーリングがどうにも気になる!」という声は以前よりあり、その不満を解決した商品です。
さて、玄関を入ると左手にはシューズクロークを兼ねた土間収納スペースを設けています。
ご家族はこのシューズクロークスペースから家の中に入り、メインの玄関はお客様専用にお使いいただくことにすれば、いつもメインの玄関はスッキリをキープできます。
家族用玄関とメインの玄関の仕切りは、建具で仕切るよりも、後付けで暖簾やロールスクリーンをかけてもよし、それほど気にならなければなくてもいいかもしれません。
家族用玄関から見ると、奥にはハンガーパイプも設置して、アウターを掛けることもできるようにしています。
玄関も、キッチンも、浴室も、ランドリールームも、すべて共用する二世帯住宅ですが、洗面化粧台とトイレは1階と2階に設置。
とはいえ、厳密に使い分けるわけではないので、1階の洗面化粧台は玄関の脇に設置しています。
脱衣室を兼ねるランドリールームには乾太くんをメインに、天井吊り下げ物干しも用意しています。
浴室も乾燥室として使えるので、梅雨時に悩まされる、洗濯物対策への備えも十分です。
こちらが親世帯のお部屋。
おやすみになるときにはベッドを活用することになると思いますが、部屋にいる時は畳がいい。
座卓でも、ちょっとゴロリと横になったりすることも可能です。
2階のリビングで過ごすのも良いですが、身支度が面倒な時などはご自分たちのお部屋でゆっくりするのがいいですよね。
歳を重ねて階段がしんどくなっても、1階だけで生活が完結できるように10帖大の広さを確保しました。
今回の床下エアコン暖房は、階段下収納スペースを活用しました。
多くの場合、リビングや居室のカウンター下などに設置居することが多いのですが、それはそれなりに場所をとります。
コンパクトに納めるなら、階段下収納は最適な場所といえると思います。
さて、階段を上がってリビングへ。
ドドーンと吹き抜けがあり、2階フロアのホールまで、開放的な空間が広がります。
2階には子世帯ご夫婦の居室も確保する必要があるため、LDKとして確保できる面積は17畳ほど。
吹き抜けを設ける理由の一つは圧迫感を感じないようにすることが挙げられますが、もう一つあります。
正面の2つの窓、下の窓にはお隣様の建物の影が見えます。
上部の窓にはみえません。
この窓は南側にあるのですが、特に陽の低い冬、2階の窓からの採光はお隣様の建物に遮られがちですが、吹き抜け上部=3階部分の窓は遮るものがないので、部屋の奥まで光が届きます。
カウンターキッチンから見ると、リビングの奥まで光が届いているのがお分かりいただけると思います。
今回の床材は、オークの突板を使っていますが、通常より幅が広いタイプです。
幅が広いフローリングは空間をゆったりと広く見せる効果があります。
システムキッチンは全体を白いトーンでまとめました。
最近のキッチンは、ブラック系のシックなタイプが多く見られますが、ホワイトは明るく清潔感があります。
リビング側からの見た目も、白い壁、白い面材のシステムキッチンだと、より無垢のオーク材の表情が際立ち、シンプルナチュラルな明るいトーンに仕上がっていると思います。
リビングの一角にはバルコニーも設けました。
それほど広くはありませんが、リビングに外に出られる空間があると何かと便利です。
2階、リビングに設けた洗面室とトイレ。
特に朝の洗面化粧台は占有する時間が長くなりがちなので、1,2階それぞれにあると便利です。
さて、こちらは3階ホール。
正面に見えるのが室内に設けた夏用のエアコン冷房です。
夏は扉を開放して冷気を送り、吹き抜けを通してリビング全体を冷やします。
このエアコンがあるお部屋は、
4帖大のファミリークローゼット。
基本的には開放していますが、来客時など見せたくない時には引き戸を閉めれば大丈夫。
3階ホールの手すりは、冷気が落ちやすいように腰壁タイプではなく、シャープなアイアン風の手すりを採用しています。
この左手に子供部屋があるのですが、このホールも3帖弱の広さがあります。
突き当りの壁にはコンセントなどの配線も準備し、デスクを置けば開放的な書斎スペースになります。
正面右上の小窓から光が差し、右下にはリビングを見渡せ、ちょっと宙を浮いている感じ。
2階リビングと3階ホールの書斎、別々のフロアに居ながら、同じ空間に居るような、ちょうどいい距離感で過ごすことができそうです。
十分な広さを確保できる条件で家を建てるのはもちろん良いのですが、今回のように広さや高さに制限がある中で、様々な工夫を凝らして、やりたいことを実現していくと、結果的に相乗効果が生まれてよりよくなる、というケースも珍しくありません。
そのあたりも注文住宅の醍醐味だと思います。
ご要望されるプランの実現は、当社の設計士とコーディネーターがお手伝いさせていただきます。