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住宅ローン事例②「住宅ローン返済中の建替え」

2023年07月31日 17:15   Category : 住宅ローン,建築・住宅用語

久々の住宅ローンに関するブログです。数回にわたり、実際に弊社に相談のあったかたの事例をご紹介しております。今回は「住宅ローン返済中の建替え」事例です。

 

 

B様は、15年前に住宅ローンを利用して建売住宅を購入されました。入居当初から建売住宅の夏の暑さ、冬の寒さを我慢されてきましたが、昨今の住宅性能(高気密高断熱住宅)に深い興味を示され、何とかして建替えができないか、と検討するようになりました。土地・建物ともにB様の名義、建替えにかかる建築資金は、自己資金に加えて住宅ローンを新たに組んで賄いたいとお考えです。さて、このような場合、どのように話が進んでいくのでしょうか。

 

このとき、注意しなければならない点として、①B様が15年前にご購入された現居の住宅ローンが「残りいくら残っているか」という部分、②今回のケースは、考え方的には「借換」と同じくなりますので、基本的には既存住宅ローンの残年数が借入期間となってしまう部分です。前者は、住宅ローンを完済されている場合は問題ありませんが、完済していない場合、新たに借り入れる住宅ローンの金額に、既存住宅のための住宅ローンの残債がプラスされますから、返済比率の兼ね合いから「住宅ローンが組めない」可能性が出てきてしまします。後者は、前者と同様に年収や返済比率といった点がクリアできるかどうかという問題点がでてきます。

 

B様の状況を確認してみましょう。B様は、当時4,500万円で売りに出ていた建売住宅を、3,500万円の住宅ロ-ンと1,000万円の自己資金(親御様からの贈与)で購入され、現在の住宅ローン残高が2,150万円とのこと。この状況において、新しい住宅ローンをどのように組んでいくのでしょうか。B様の情報として「年齢45歳、勤続10年、年収700万、自己資金300万円」であり、借入希望額は5,700万円(新築資金として3,550万円、既存住宅ローン2,150万円)となりました。自己資金は、すべて諸費用に充てるとお考えです。

 

これまでブログを読まれてきた方であればピンとくる方も多いかもしれませんが、これまでの内容を勘案しますと、なかなか難しい住宅ローンとなることが予想できますよね。まずは、住宅ローンの期間を35年に延ばす方法を検討しましょう。銀行側が35年の長期でのローンを組ませてくれるかという事前相談が重要です。住宅ローンの借入に際して、必ず保証会社というものがつくことは、ご存じのことと思いますが、銀行がOKを出しても保証会社がOKを出さなければいけません。しかも、借換の扱いですから、既存の住宅ローンを組んでいる銀行では取り扱いができません。従いまして、この計画を進めるためには、銀行を探すことが肝心といえます。B様の場合、全国保証という保証会社を利用することで、住宅ローンの期間を35年にすることができました。

 

次に、返済比率の問題をクリアしていきましょう。銀行の事前審査に適用する「審査金利を3%」とすると月々の返済額が219,365円、返済比率に換算すると37.6%となります。しかも定年を65歳と想定した場合の残債額が3,200万円弱となりますから、この計画で住宅ローンを進めるには、難易度が高いことが想定されます。では、どのようにすれば進められると思いますか?それは単純に、①借入金額を下げる、②収入基準を上げる、の2点となります。

 

①の場合は、純粋に自己資金(贈与などを含めて)を充当することとなります。B様の場合は、引っ越しや仮住まいなどの費用として300万円以外にも自己資金がお有りでしたが、これ以上の資金を建築計画に投入することは考えておらず、また贈与などの資金も見込めないとのことでした。

 

②の場合は、本人の収入を上げることはできませんから、奥様がもし就業されていらっしゃれば、収入合算やペアローンといった選択肢があります。幸い、B様の奥様は、長年正社員として勤務され、年収も500万円とのことでした。奥様の収入を合算することができれば、返済比率が21.9%となりますから、こちらの問題は解決。奥様と2人で返済していくことになりますから、定年後の残債支払いについても銀行側の指摘は緩くなることが想定されます。

 

 

 

B様の場合、全国保証を利用することで住宅ローンを35年に変更することができ、奥様との収入合算という方法を利用して返済比率の問題も解決することができたことで、建替え計画を無事進めることができました。

 

いかがでしたでしょうか?既存の住宅ローンがある中での建替えができるのかわからない、どのように進めていけばよいのかわからないといった方も大勢いらっしゃいます。弊社では、家づくり無料相談会を随時実施しております。住宅ローンのご相談もお受けいたしますので、お気軽にご相談にいらしてください。

(つづく)

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